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RBC(回転円盤濾過)の硝化能力は0.35g-N/m2/日であり、総排泄窒素量の35%を処理するためには、4,400g×35%÷0.35g=4,400m2の濾材が必要となる。ここではDCO2の値を30mg/リットル以下に保つ。

ホ)ミックスベッドフィルター(流動床濾過装置)

FBF(流動床濾過)の硝化能力は0.25g-N/m2/日であり、総排泄窒素量の65%を処理するためには4,400g×65%÷0.25=11,440m2の濾材が必要となる。

へ)システムの総水量

水槽 85m3

硝化槽 水槽容積の約70%として 60m3

配管中の循環水 全体の5%として 7m3

合計 152m3程度が必要になる。

ト)酸素供給装置

体重5kgのハマチ一尾の酸素消費量は21gO2/日であるから、2,000尾では一日42kgの総消費量となる。この消費に見合う必要酸素量は、純酸素発生器により毎日42kgの純酸素を水中へ送り込む。

チ)脱窒槽

硝酸態窒素濃度を100mg/リットル程度に維持するために濾材を使用して脱窒素を促進する。

脱窒のための濾材能力は硝化用の5〜10%が必要であるから、4,400g×10%÷0.25g=1,760m2の表面積を有する瀘材を準備すれば良い。

リ)紫外線殺菌装置

254nmのUV-lightを40,000mW/cm2/秒照射する。

ヌ)水温調節器

電力式水温調節器を使用する。

ル)電気設備

200V3相交流電源。また非常用電源として、ディーゼル発電機(自動起動、20KVA、運転時間3.6h)設置。

ヲ)水質管理設備

システム監視盤、水質モニター、データ処理の機能を有す。

 

(2)ハマチ循環式陸上養殖施設の概算費用例

以上の前提条件を基に、ハマチ10トン生産を想定した養殖施設の費用試算を行う。正式な見積もりに基づくものではなく、また実験用ということもあって各機器類の能力等にバラツキがあるかもしれないが参考として記す。

イ)設備費概算

養殖建屋 平屋建、軽量鉄骨プレハブ造り、300m2×8万/m2(土地は含まない 簡易研究室あり)2,400万円

水槽 50tタイプ1基、25tタイプ1基、10tタイプ1基 500万円

水浄化及び殺菌装置 設置代、電気工事費を含む 5,000万円

酸素発生装置 300万円

自動給餌装置 200万円

各種センサー及び集中制御装置 簡易タイプ 800万円

発電機及びポンプ 300万円

 

 

 

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