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日本の養殖生産が、近年伸び悩む原因としては、種々のことが考えられるが、そのひとつに、アジアの近隣諸国の養殖業の発展による圧迫があげられる。韓国におけるワカメやスズキ・ヒラメ等の魚類養殖の増産、中国におけるウナギやホタテ貝の増産、マレーシアでのウナギの増産等が顕著な例だが、土地や人件費の安いこれらの国から、安い魚が、括魚あるいは鮮魚として、直接日本の市場に搬入される。それが、国内の需給バランスを崩し、市況を不安定なものにしてしまい、日本の養殖漁家の生産意欲を削ぐというパターンがある。

ノルウェーやチリからの生鮮サケ類の搬入増大も、国内のギン鮭養殖漁家の生産縮小を余儀なくさせている。

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