実証試験期間中における故障・不良は皆無ではなかったものの、発生したトラブルは十分に対応することが可能であり、本船の運航に支障を来すものではなかった。また、これらのトラブルに関連しないアラームはほとんど発生していないことからも内航近代化実証船の機関室は信頼性が高いものと判断できる。
(2) ワンマンオペレーションについての考察
内航近代化実証船では、通常の航海中であれば夜間00時から08時までは、甲板部1名のワンマンオペレーションが実施されている。また、一年間のアラームならびに機器不調等の発生回数を勘案すると、機関室機器の信頼性は高いものと考えられ、恒常的に操縦室内はワンマンオペレーションを実施できる可能性は高いものと考えられる。
ただし、メンテナンス(係留中の作業)を必要とするアラームの発生も認められることから、ワンマンオペレーション化を推進するためには、さらに陸上支援としてのメンテナンス体制等について調査検討を加える必要があろう。
ここでは、内航近代化実証船の実運航を通じて得られたワンマンオペレーションにおける課題を整理する。