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4. ベカシ複々線化計画の概要

 

4-1 複々線化計画の概要

 

4-1-1 計画概要

 

第3章でも述べたように、ベカシ線(マンガライ駅〜ベカシ駅)の現状としては、複線/電化/色灯信号などの設備がベカシ駅まで完成しており、中・長距離列車、コミュータトレインおよび貨物列車が運行されている。さらに、メラク駅からベカシ駅までは石炭専用貨物列車やその他貨物列車などが、このベカシ線を使用している。

 

このような状況をもとに、(1)中・長距離列車と通勤列車の分離を図る。(2)通勤列車の本数増強。(3)定時運転の確保。(4)中・長距離列車のスピードアップし線路容量の増大を図る。ことなどを目的として、次のような複々線化計画を行った。

 

この計画路線の区間としては、セルポン線のクバヨラン駅付近(タナアーバンは迂回する。)〜マンガライ〜ジャティネガラ〜ベカシ〜チカラン間を想定し、中・長距離列車をセルボン線に接続し、将来は東西幹線鉄道としての位置付けを考慮し、スマトラ島への玄関口であるメラク駅まで運転可能な配線とした。もしタナアーバン駅に接続させれば、この新線は東西幹線鉄道として改良することは困難となる。

 

また、ジャボタベック鉄道圏の東線/西線あるいは中央線のターミナル駅が未だに確定していない現在、現状のままでの運転で行うものとしたそれぞれのターミナル駅の位置付けを踏襲し、ターミナル駅の分散を考慮した配線計画とした。

 

配線計画にあたり、在来線と新設線との線間については一般盛土区間は4.5mとし、新設する桁式橋梁の区間のうち電化区間での線間については8,7m、非電化区間は7.2mとして計画した。

 

以下に、この計画区間を概ね次の4区間に分けて、それぞれの計画概要について述べてみる。

 

4-1-2 セルポン線(クバヨラン〜タナアバン駅間)―マンガライ駅(L=5.3km)

 

現在、セルボン線と接続している西線は、DKIジャカルタの重要な洪水調整水路(BANJIR KANAL)に沿って全線地上で配線されている。この洪水調整水路はジャカルタ市内の重要な水路なこともあり、新線計画にあたっては、この洪水調整水路の堤防を支障するような計画は避け、在来線に沿った北側(住宅地域)に計画した。

 

 

 

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