3-4 ジャボタベック鉄道網の現状
3-4-1 鉄道運行上の現状
ジャボタベック鉄道網における1997年度の列車運行状況は、図3-5および図3-6に示すとおりである。その形態は首都圏を南北に縦貫する中央線(ボゴール線)、東線および西線から成る環状線(現在は環状にはなっていない。)の骨子から構成されている。
中央線では朝夕12〜20分間隔で、主にコミュータ列車を中心として運行されており、東線では最近、朝夕20〜30分間隔の運転を開始している。しかし、西線の列車運行に関しては、環状運転が行われていないこともあり、一日数本程度のコミュータが運行されているにすぎない。
このような状況での首都圏における乗降客数は、中央線で約22万人/日に達しているが、東線は約5万人/日、西線などの他線でも5万人/日にすぎない。この理由としては、(1)長距離列車優先の列車ダイヤによる運行、(2)車両数の不足、(3)機械式信号による列車運行、などが挙げられる。
3-4-2 鉄道施設の現状
(a) 中央線(ボゴール線)
ジャカルタコタ〜ボゴール間は全線にわたり複線電化されており、このうちジャカルタコタ〜マンガライ間はすでに高架化している。上述したように、この線はほとんどがコミュータトレインが運行されており、一部中距離列車がスカブミまでこの線路を利用している。
ガンピール駅はムルデ力広場や大統領官邸、官公庁等に近接した位置にあることもあり、バンドンまでの特急列車(バラヒヤンガン)の発着駅としてジャカルタ市の顔となっている。
ボゴール駅の手前のデボック駅西側には、車両基地新設計画があり、近々OECFローンにより始まる予定である。
(b) 東線
この区間の中心駅であるバサールスネン駅では、スラバヤ、ジョグジャカルタ方面からの長距離列車の発着駅として使用されている。
また、ジャカルタグダン(Jakarta Gudang)〜ガンセンティオ(Gang Sentiong)