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国民の90%はイスラム教徒(ムスリム)であり、残りの10%がキリスト教徒、ヒンドゥ教徒、仏教徒となっており、イスラム教が圧倒的に優位な世界最大のイスラム教国となっている。しかし、インドネシアの憲法では、宗教の自由が保証されており、イスラム教は国教には定められてはいない。このようなことから、インドネシアでは、敬虔なイスラム教徒は1/3〜1/4程度と意外に少なく、名目的なイスラム教徒が残りを占めている。

 

2-2 経済状況

 

インドネシア共和国の経済政策は、スカルノ政権が1968年に発足し、本格的な経済の建て直しが始まり、1969年4月から開発5ケ年計画を開始し、開発予算の重点配分を行ってきた。また、その計画における主眼は経済開発であり、最も重要な指標は経済成長率である。

現在までの各年次における開発計画の概要は下記のとおりである。

 

■第一次開発5ケ年計画(Repelita-I):1969.4月〜1973.3月

◆基本方針

国民生活の緊急安定化

-年平均成長率;5%(実質8.4%)

-食糧生産の拡大

-衣料生産の拡大、インフラ整備、農業関連産業の育成

-インフレーションの抑制

 

■第二次開発5ケ年計画(Repelita-II):1974.4月〜1979.3月

◆基本方針

経済発展の基礎固めとバランスのとれた開発

-年平均成長率;7.5%(実質7.2%)

-生活必需品の充足、インフラ整備

-社会福祉と所得配分の公平化

-雇用機会の創出

-資源加工産業の育成等の基礎固め

 

■第三次開発5ケ年計画(Repelita-III):1979.4月〜1984.3月

◆基本方針

開発と開発成果の公平化

-年平均成長率;6.5%(実質6.1%)

-経済成長の実現

-ダイナミックでかつ健全な社会安定

-非石油輸出の振興

 

 

 

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