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1.3 ヴィエトナム運輸省ラ・ゴク・クエ次官挨拶

 

会場の皆様、私たちは皆等しく専門家としてこのセミナーに出席しているのですから、あなた方すべてを友と呼ばせて頂きたいと思います。私はここで、開会を宣言するだけではなく、私自身の考えを述べたいと思いますので、通常の開会の辞より長くなりましょうが、その点は何卒ご容赦下さい。

先ず、ベトナム運輸省指導部を代表して、皆様方に心から歓迎の意を表したいと思います。特に、TDSIが必要性と意義の高いこのセミナーを開催する機会を提供してくれましたJTCAとそれを可能にした日本財団の支援に対して、謝意を表したいと思います。このセミナーから得られる知見は、必ずや我が国の運輸交通開発に係わる政策の策定と法的基盤の整備に役立つことと思います。現在、日本国政府及びJTCAの提案、特に、在ベトナム日本国大使館の提案に基づき、ベトナム運輸省はTDSIによる運輸交通開発マスタープラン作成に対する日本の支援を要請しているところであります。

実のところ、ベトナムにおいては運輸交通分野の開発事業が既に何十年にもわたって実施されてきております。なぜ、この時点でマスタープランの作成に取り組むことにしたのか?ここで指摘したい点は、我が国は既に、二十年間をカバーした複数の全国運輸交通開発マスタープランを策定・実施してきているという事実であります。しかしながら、近年の経済構造の変化と経済発展の実績、さらに、東南アジア地域の昨今の状況を考えますと、新たなマスタープランの策定が急務となったのであります。他方、私の主観的判断ではありますが、我が国の政策決定及び計画作成の担当者達は、当初その責務の実施において、必ずしも十分な情報と経験を有していたとはいえないという点があります。今日、我々は日々新しい情報を入手し、また、経験を蓄積しつつあり、更にまた、日本の専門家からも協力と支援を受けております。私は、ベトナムの現状と開発需要に整合した新しい運輸交通開発マスタープランが作成されることを希望するものであります。また、マスタープラン作成に係わる事項が二国間で合意された場合には、JTCAおよびここにご出席の専門家の方々から更なる協力と支援を仰ぎたいと考えております。そうなれば、我が国の運輸交通関連の政策担当者達と日本側のカウンターパートとが、ベトナムの運輸交通開発全般に係わる枠組み作りを完成させるために、更に議論を尽くさなければならなくなるでありましょう。

というわけで、このマスタープラン作成に関して、私が先ず抱く要望や考え方をここで明らかにし、それらに沿ってこのセミナーが進められることを希望する次第であります。私

 

 

 

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