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3. グループホームの実現に向けて

 

平成8(1996)年春、「在援協」から、地域でグループホームの開設に向けて勉強会に参加した支援グループに対し、Aさんの家屋を利用してグループホームの開設をしてはどうかと提案されました。このグループを中心に、Aさんと同居するメンバーの選考が行われることになりました。選考は最初は話し合いから始まって、続いて実際のAさん宅での打ち合わせやお茶の会、また食事の会などを経て、体験宿泊を行うまで、段階を経てきめ細かに行われました。

夏には、大まかなメンバーが決定し、並行して運営委員会方式の横浜市単独事業としてグループホーム開設の申請をしました。

同年8月2日、第1回の運営委員会が開かれました。メンバーは次の通りです。

 

●地域作業所所員(利用者・ホームを考える会代表)

●地域作業所運営委員長2名(2作業所から各1名)

●地域作業所所長(職員)

●地元自治会長

●民生委員

●地元ボランティア団体連絡会

●「在援協」顧問弁護士

●施設長(Aさんの利用施設・筆者)

●施設職員(Aさんの利用施設)

●地元ボランティア団体代表

●利用者代表

●利用者家族代表

●職員代表

●「在援協」職員

 

運営委員会の構成は、上述のメンバーをみてお分かりのように、専門家が主体となるのではなく、Aさんの地域生活の実現に向けて地元の関係者を多数入れ、地域に開かれた組織として構成されています。また、運営委員会を支え、補佐し、実際の庶務的な仕事をする事務局には地元の親の会の代表の数名が協力してくれることになりました。

このことは、このホームの今後のあり方を強く性格づけることになります。なお運営委員長には、これまでの経緯から私が選出されました。

次いで8月31日には、第2回の運営委員会が開催され、入居するメンバーの決定があり、グループホームとして利用するための家屋の改造計画も承認されました。家屋は、5名の入居者と職員1名が夜間においては全て個室で過ごせるように改造され、風呂場や洗面所も障害があっても利用しやすいように改造されることになりました。

当初の利用メンバーは次の通りです。なお、Aさんを含めてメンバーのニードから考えて、本ホームは365日24時間の利用を原則として運営される事となりました。

 

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