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?A加算1人分は補助世話人雇用費に当てる。?B加算2人分をガイドヘルパー雇用費(時給1,200円)と、個人希望の余暇を楽しむために使用。毎週車の送迎でバドミントンに行く人、プールに行く人、遠出外出、観劇などを楽しむことができるようになった。

これによって1.5人体制となったが、専任世話人は事務処理とコーディネイトの仕事が加わり忙しくなった。また、今後入居者に異動があると加算額もなくなるので、常時雇用も不安定である。(各ホームは毎月、法人を経由して市へ実施報告書を提出する。土日曜、祭日の宿泊利用者数により休祭日代替世話人補助費(月額3,500円×5日分+α)が出ている。それ以外の雇用費は世話人人件費(月額87,000円×利用者数)から負担する。退居者がでると次月から減額される。)。

 

(2) 僕たちも年をとる

●発表者/男性5名(うち重度の障害をもつ人1名)のホームの世話人、経験13年、64歳。同居している。2人援助体制をとっている。メンバーは土日曜、祭日も滞在。夏期・正月各1週間帰宅がある。

 

●内容/個人が独力で開設したホームで、利用者にほとんど変動がなく安定して生活している。長年の付き合いで、家族の支援までせざるをえない。例えば、年金を当てにしてサラ金で借り、返済ができなくなった親に代わり、破産宣告手続きに奔走したりもする。

その他、家族からのいろいろな相談を受けたり、緊急ショートステイも行っている。

11年前入居した52歳のKさん(両親無し)は近年とみに老化が目立ち、援助の頻度が高くなってきた。老後の生活をホームが支えられるかどうか模索している最中である。必要最小限で良いからバックアップがほしい。

 

(3) 親なき後もずっと暮らしたい

●発表者/男性4名(うち重度の障害をもつ人1名)+ブランチ1名(ホーム近辺にアパート等を借りて1人で住む方式。家賃補助はなく本人負担。委託費1人分が加算され、食事や助言等をホームから受けられる。)のホームの世話人、経験7年、49歳。同居している。メンバーは土日曜、祭日も滞在。夏期・正月各3日帰宅がある。1.5人の援助体制。

 

●内容/住環境の改善と個室確保のために移転を考えていたところ、同区内の母親が亡くなった∪さん家族から、家を生活ホーム用に改築するので、57歳で重度の障害をもつ∪さんも一緒に入居させてほしいとの申し入れがあり、これを快諾する。1名は近隣のアパートをブランチとし、念願の一人暮しを始める。階下の一部は実家として残しているので、母親が生前頼んでいたホームヘルパーも利用し、洗濯などをしてもらう。土日には姉が帰ってきて、Uさんと暮らしている。∪さんは日中デイサービスに通い、親なき後もそのまま地域での暮しを続けている。世話人は夕食づくりや掃除、経理等の手伝いのため定期的に補助人を雇用しているが、休日が取れず過労気味である。

 

(4) お父さん、生活ホームつくってよ

●発表者/男性4名のホーム。世話人経験6年、55歳。近隣から通勤。土日曜に3人は帰宅する。1年前住居が老朽化したため同区内の別の場所へ引っ越してからそれぞれ個室で暮らせるようになった(これは転居補助金によるもので、平成9(1997)年度より転居したホームに30万円補助されることになった。但し年間1件のみ)。

 

●内容/重度の自閉症のある娘さんが入居することになったホームを新設した経過を親の立場から発言。25歳の娘は言葉もなく多動で、自閉的傾向があり、独自の世界をもち、こだわりが強く、他人には無関心である。2年前から自宅に入りたがらず、今まで行ったことのある場所を転々として落ち着く所を探している様子をみて「家、親たちから離れて生活したい」という意志表示ではないかと受け止めた。

 

 

 

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