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に最も適した治療法の選択にも解剖生理学的な知識なしには行えないのである。毎日、実習のある生活の中で、僕は日々大量の知識を学ぶ意義、動機づけを考えなおす機会を与えられ、そして大量の知識を有効に患者さんの治療のために還元できる医師になりたいという明確な目標も見えてきた。これからも実習で吸収した知識をすべて生かすことのできる学び方で医学に取り組みたい。もちろん、この知識を生かすことは、人間を本当に心から愛し、救うことに生かすということである。

 

解剖学実習を終えて

 

菅野 直希

 

我々が解剖させていただいた方々には、それぞれの家庭があり、何十年もの人生があったのである。その中には喜びがあり、悲しみもあり、また楽しみもあり、と様々な気持ちを持ちながら生活されてきたのである。その方々は、我々をまったく見たこともないし、我々の人格もまったく知らないし、もしかしたら自分の体がどのように解剖されるのかもわからないのに、我々を信じて献体して下さったのだと思うと、敬意と感謝の気持ちで心がいっぱいになる。しかし、献体して下さっ

 

 

 

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