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?病気があっても献体はできるか

できます。解剖学実習は、大学で教授または助教授の指導のもとに行われます。生前の病気や手術のあとなどは、「正常」をものと比較することによって、かえって、良い学習ができることにもなります。この点について、なおご心配な方は、具体的に団体または大学とご相談なさるようおすすめします。

 

?献体登録証(会員証)

献体登録申込書(入会申込書)を提出しますと、献体登録証(会員証)がもらえます。その登録証には、献体先大学名と死亡時の連絡方法などが書かれていますので、大切に保管しておき、ご家族や身近な方々にもよく知らせておくことが必要です。

 

?献体の実行

献体登録者(会員)が死亡された時、ご遺族あるいは身近な方は、登録証に書かれた連絡先(献体登録大学)へ休日や時間外にかかわらず、まず電話でご連絡ください。その際、告別式の日取り、その他の遺族側の予定、希望なども含めて、ご遺体の引取りの日時や手順を大学側と相談して下さい。

 

?通夜・告別式を済ませてからでよいか

通夜・告別式など、通常の葬儀を行うことは、献体する上で、少しも障害となりません。通常葬儀のあと、ご遺体は出棺して火葬場に向かうことになりますが、献体される場合は、火葬場ではなく、大学に運ばれる点が違うだけです。また、献体の場合は、次項に述べられているような理由で、ご遺骨が戻るまでに時間がかかりますので、それまでの間、遺髪や遺爪をお祀りになりたいご希望がありましたら、大学へお申し出ください。

ご遺体の移送費と火葬費は大学で負担いたします。

?ご遺骨返還の時期と方法

献体されたのち、ご遺骨がご親族に返還されるまでの期間は、大学によって多少差がありますが、1〜2年、長い場合は3年以上かかることもあります。これは、次のような理由によるものです。

(1) 防腐処理などの解剖準備期間として3か月ぐらい必要です。

(2) 実際の解剖学実習期間として通常3〜7か月ぐらいを必要とします。

(3) 実習は大学ごとに決められた時間割によって行われるために、その年の実習に間に合わない時には、実習の行われる時期まで、大学に保管されることになります。

 

解剖学実習終了後、ご遺体は一体ごとに大学で丁重に火葬し、ご遺骨をご遺族にお返し致します。

なお、いずれの大学でも、献体された方々のために、大学の公式の行事として毎年慰霊式が行われています。

 

 

 

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