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運用後のポイントは、

(1)修正要求に対応する際は、関連サブシステムへの影響度を十分に調査し修正作業に伴うバグリスクを回避する。

(2)当初設計時点でのシステムの洗練度、ロジックの透明性が修正作業により損なわれてしまう。修正は、開発者以上の優れた技術力が要求される作業であることを十分に承知しておかなければならない。

 

7-5 パッケージ利用における課題と効果

本市におけるパッケージ利用での最大の課題は、本市では「システム開発基準」に基づいて開発作業を行っている。

パッケージにおける「方言」の問題をあげざるをえない。データ名一つをとってみても本市の基準との整合性を確保できない。基準に対する準拠性の確保が最大の課題であるといえる。

パッケージ利用における課題は他にもあげられるが、その課題を超えてなおあまりある効果を評価したい。

(1)最新で高度な技術力の移転を図ることができる。

(2)事務の標準化が可能になる。

(3)システム開発の上流工程での重要な要件漏れを防止できる。

(4)開発期間を短縮できる。

(5)比較にもよるが、大規模開発になればなるほど投資額において、独自開発よりも安価に導入できる。

(6)情報システム全体の統一性と、データインテグリティを確保できる。

 

7-6 今後の取り組み

本市のような中小都市の情報システム部門では、限られた職員数で数多くの新規システム開発案件をこなさなければならず、同時に運用も誤りなく適切に適時に処理してゆかねばならない。特に、最近のようにCSS、PCの隆盛をみるにつけ担当職員の技術力のブラッシュアップをどのように図ってゆくべきか。EUCに代表される現課開発力の向上と、情報システム部門職員との感度のずれをどのように埋めてゆけばよいのか。

これらの問題点を解決する手段として、システム開発作業の省力化と効率化を高める上からも、パッケージを中心とした情報システム開発戦略を今後とも推進してゆくものである。

しかし、メーカー・ベンダーに対しては、製品のより一層の品質管理と品質保証を要求したい。顧客との信頼関係、良きパートナーシップは安定した造り込まれた製品品質の基に築かれるものであり、顧客満足度もまた最大となるのである。

 

 

 

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