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2-1 開発計画の策定

 

開発計画における目的意識の明確化がアプリケーション・パッケージの採否・選定の根拠になる

 

一般に開発計画は業務所管課が主体となって作成し、次の内容から構成される。

・全庁情報化計画など上位計画との関係における開発計画の位置付け

・開発の目的やシステム化の狙い

・システム構成イメージ(ハードウェア,ネットワーク,ソフトウェア等の概要)

・開発・運用体制

・利用イメージ(業務の中でのシステムの位置付け)

・システム化の効果(定性的効果,定量的効果)

・開発スケジュール

・概算経費見積り(開発一時経費,運用経常経費)

この中では「上位計画との関係における開発計画の位置付け」と「開発の目的やシステム化の狙い」が、アプリケーション・パッケージの利用に関連して重要である。

開発の目的が現行業務のシステムによる置き換えにあるのか、業務の流れを見直した後にシステム化により効率化できる部分を置き換えることにあるのかを明確にすることが必要である。これは、全庁情報化計画等の情報化に関する上位計画の中で、情報化の目的をどのように設定しているかとも関わるものであり、開発計画策定に当たって上位計画の方向付けを考慮する必要がある。

開発計画において明確化された目的意識が、後段のアプリケーション・パッケージの採否決定や選定における判断の根拠を与えるものになる。

なお、開発計画が正式に認められた後、開発・運用のためのプロジェクトチームが正式発足する。

基本的には、

・システムが実現する業務のユーザーである業務所管課

・情報技術や開発プロジェクト管理などの面からチームをサポートする情報管理主管課

の合同チームになる。このチームでこれ以降の各工程を実行・管理していくことになる。

 

2-2 製品情報の収集・分析

 

アプリケーション・パッケージの調査では、知りたい内容についての調査項目を標準化して、パッケージベンダーのヒアリングやコンサルタントなどの第三者機関を利用して、積極的な調査を行う

 

アプリケーション・パッケージの製品情報は、パッケージベンダーのカタログやコンピュータ関係の雑誌等に基本的なものは収録されている。しかし、サポート内容や導入実績などの情報は公刊資料には通常開示されていないため、別途調査を行う必要がある。

製品情報を収集する目的は、アプリケーション・パッケージの製品化の現状や製品間の相違点を分析することにある。したがって、収集する情報の項目を標準化して、比較が可能な形にする必要がある。収集すべき項目については既に第2章の表2-2にまとめている。表3-1に表2-2の内容を再掲する。

 

 

 

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