要件を導くとともに、カスタマイズの範囲を決定するために、各々の要件に対して優先度を設定する。
?E評価・選定
アプリケーション・パッケージの評価・選定は、ユーザーの要求に基づいた要件定義の満足度を中心に、パッケージベンダーのサポート内容、費用、開発期間、普及実績を参考に実施する。
?F導入契約
契約内容としては、通常の明示された納期や納期遅延に関する規定以外に、法改正等に伴う機能変更の対応やバージョンアップ等の技術情報提供などのサポート内容やカスタマイズ部分を含む戦庇保証期間などについても明記する必要がある。
(2)適用段階
?@カスタマイズ設計
アプリケーション・パッケージの信頼性。保守性の観点から考えて、カスタマイズは極力行わない方向で考えるべきであるが、必要な場合には、「基本構造を崩さない」、「保守しやすい設計を選ぶ」、「OS等の変更に影響されない設計を選ぶ」の原則を守って行う。
?Aカスタマイズとテスト
カスタマイズ及びそのテストにおいては、保守性と移植性に重点をおいた作業を行う。
(3)運用段階
?@運用・教育
アプリケーション・パッケージに限らず、情報システムが円滑に運用されていくためには、ユーザーと運用管理者の双方についての教育・研修が必須である。
?A保守
当初想定した性能などの品質や仕事の流れの改革などといった点がどの程度達成されているかを運用開始後にチェックする必要があるほか、バグの究明やバージョンアップなどの情報を継続的に収集・管理する必要がある。
3-4 アプリケーション・パッケージ利用における著作権の問題
ソフトウェアは電子的な媒体を通じてコピー(複製)したり、ソースプログラムを所有していれば内容を変更(翻案)することが可能である。これらはすべて著作権に属する権利であるが、地方公共団体とパッケージベンダーとの間で著作権をどのように設定するかによって、システムの改訂やコピーの法的根拠を左右するものになる。ただ、アプリケーション・パッケージの標準品の著作権は基本的にはパッケージベンダーに帰属するといえる。したがって、標準部分とカスタマイズ部分との切り分けやそれに伴なう地方公共団体とパッケージベンダーとの間の取決めが、アプリケーション・パッケージを利用したシステム開発における著作権の取扱いを決める根拠となる。
3-5 事例編
福井県、愛知県、奈良県、札幌市、鳩ヶ谷市、相模原市、敦賀市におけるアプリケーション・パッケージ利用の背景や体制そして課題などについて紹介する。