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おります。

そして、さらにハノイから100キロ南に行きますと、いわゆるアロン湾のミニチュアと呼ばれているところがあります。この地域はホアルと呼ばれているところで、ニンビン省にあります。ここには低い石灰山が多くあります。そして絵はがきのような非常に絵画的な洞窟、そして岩屋といったものがここには点在しております。

さらに北部に向かって移動していきますと、ディエンビエンフーといったかつての戦場が残っております。そして、このディエンビエンフーの谷間においての勝利によって、1954年、フランスの植民地から独立することができたのであります。

こういった観光地以外にも、ベトナムにはもう1つの特徴があります。それは旅行する際に非常に安全であるということであります。また、非常に安い滞在ができるということであります。ホテルの宿泊料、食事代、タクシー代、そしてお土産を買うといった、すべてそれは非常に安い価格で手に入れることができます。

また、最もベトナムを訪れる際にすばらしいのは、ベトナムの人々に出会うということであります。若い人も、そして高齢の人も、すべてが非常に友好的で、皆様をお手伝いしたいという気持ちを持っています。ですから、ベトナムに行きましたら寂しいと感じることはないと思います。また、外国人であるとわかれば、かえってその方が親切にしてくれるということもあります。

ベトナムに行きますと、いろいろな多彩な社会、そして伝統的なローカルな文化も発見することになります。例えば朝早く、何百人というアオザイを着た若い女性たちが学校あるいはオフィスに向かって、自転車あるいはバイクに乗って移動しているところを見ることができますが、ほかのところでは見られない非常に珍しい光景であります。

そして80年代の初頭におきましては、観光産業はまだベトナムでは貧弱なものでありまして、言うまでもなく、そのインフラといったものもまだ整っていなく、観光のもととなるものもまだ未発達のものでありました。しかし、国が再興していく中でベトナムの観光も同じように前進しました。1990年の平均で観光客の数が年間30%ふえてきました。1990年には25万人しか観光客は訪れる数はありませんでしたが、97年になりますと最初の半年だけでベトナムを訪れた観光客の数は80万3000人となりました。1988年には、ベトナムに来た外国人旅行者は、フィリピンに比べますとその数の10分の1にしかなりませんでしたが、1998年になりましたら、ベトナムを訪れる観光客の数はフィリピンに比べて3分の2というふうにふえました。そして観光客の数がふえてきますと、観光サービス業もまた非常に急速に発展します。

過去数年間におきまして、ベトナム政府は147の外国からの投資プロジェクトにライセンスを出しています。これらはすべて観光のものでありまして、その金額にしますとアメリカ・ドルで43億ドルに相当するものであります。そういったプロジェクトは、中ではもう既に完成されているものもあります。現在では観光に従事するビジネスが813あります。こういった会社はすべて50ヵ国、800の会社とのパートナー関係を持っています。ベトナムは現在では、WTO、ASEAN、PATAのメンバーでもあり、そして他の国との12の観光協定を結んでおります。

そして、ベトナム観光を正しい方向に健全に発展させるためにも、ベトナム政府は最近、観光発展のための全体的な計画を1995年から2010年の計画として承認いたしました。そのためにこれからの数年間、ベトナム観光当局は、国内あるいは国外に対しましてこの非常に急速に発展している

 

 

 

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