パフォーマンス
芸術とヘルスケア会議
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◆日米聴覚障害者芸術文化交流プロジェクト帰国公演
[ギャローデットYSP(青年学習プログラム:Young Scholars Program)]
■公演にあたって
本日は、ギヤローデットYSP・日米聴覚障害者芸術文化交流プロジェクト帰国公演にご来場いただき、ありがとうございます。
アメリカの首都ワシントンにあるギャローデット大学は、1864年、時のリンカーン大統領によって認定を授けられて以来、世界で唯一の聴覚障害者専門の大学教育機関として知られています。
そのギャローデット大学では毎年、YSPを実施して、大きな成功をおさめています。これは、聴覚障害をもつ中高生を対象に、毎年ひとつの文化のテーマを認定し、4週間にわたってパフォーミング・アートの夏期講座(ワークショップ)を開催するものです。
青少年たちが、障害や国境を超えた創造力や表現力を養い、積極性やチームワーク、相互理解について学び、舞台を通して観客と分かち合うことは、彼らに大きな喜びと自信を与え、社会の中での彼らの能力を高めるために有効です。
今年の夏、健聴者2名を含む10名の日本の学生が派遣され、YSPを体験しました。テーマはアメリカ先住民族(ネイティブアメリカン)の文化。スミソニアン博物館やケネディセンター、アーティスト等の協力を得て開催されたこのプログラムは、文化の違いや障害を超えた交流の新たな一歩として、将来に大きな期待をつなぐものとなりました。
YSPの成果を日本で紹介することが、単に聾の文化や芸術に対する社会の関心を高めるだけでなく、日本の聴覚障害者による文化・芸術や異文化交流等の活動に、新たな刺激を与えるものであって欲しい。今回の帰国公演は、そんな願いから企画・制作されたものです。
(1997.11.8.日米聴覚障害者芸術文化交流プロジェクト事務局)
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