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よって蘇った人たち。パリという風土によって、パリがもっているいろいろな仕掛け、たとえば絵を描きたいとか、歴史を知りたいとか、自己改革をしたいとかいろいろな形でパリに集まったり、パリを思ったりしている女性。だから、パリで生まれた女性をパリジェンヌというのではないんだそうです。たとえば、パリがもっているある一つの魅力というか資源というか、それによって、自分を蘇らせる、自分自身をリサイクルすることができた人。パリによって失意のどん底にいた女でも男でもいいですが、パリがもっているある一つの魅力に触れることによって、蘇った人をパリジェンヌというんだそうです。いかなくてもいいんだそうですね。それで今の私は、ごみによって何か自分を見つけさせていただいた。ごみによって、自分の何かこれまでもっていた目の鱗を落とされたような気が、リサイクル生活課長にさせていただいてなりました。そのために、ゴミジャンヌと自らを励ましつつ、ごみによって蘇らせていただいて、これからもごみのように生きていきたいなんて思っている一人でございます。

自己紹介はそのようにしまして、一昨日ふと新聞を見ていましたら、次のNHKの朝ドラの「天うらら」というのが、大工さんの女性を主題にしていくという話です。私は朝早いもんで、朝ドラとかいうものをほとんど見たことないんですけど、「あぐり」というのが美容師さんで、今放送している「甘辛しゃん」というのは、酒屋さん。そういうふうに職人の世界をNHKの朝のドラマは、ここ3年間取り上げている。そういうことは、今トレンディーなのが、やはり職人の世界、それも女たちが熱い視線を向け始めているし、これまでも考えてみると、職人の世界というのが、本当は感性の豊かな女性たちにとっての憧れの場所だったのではないかというのが、その新聞に書いてあって、「おおー」ゴミジャンヌとしては、大変感激をして、やはり職人の世界、これからのトレンドは、職人という話なんだなというふうな気持ちでその新聞を見ておりました。私は職人の世界という話から連想しますと、やはり先程、三輪先生からお話がありましたように、大量生産。大量消費、そして、大量の使い捨て時代というか今まで使い捨て文化、そういうのもほんとに文化なのかなと思いながら、大量生産・大量消費、そして、大量にリサイクルしたり、大量に廃棄したりという時代。それによって支えられている時代というのは“さよなら”だなと思います。基本的には、“こんにちは”というなかで、一つの大きなものは、やはり職人の時代。それも作り手が見えてそれから使い手が見えて、それでその使い手からの生活のあり方が見える、相手が見える。いわゆる技の時代というか、そういうふうなことが“こんにちは”。大量生産・大量消費によって、捨てたもの、もしかしたら技ということばかりではなくて、基本的に技を捨ててしまったんだけども、人間と人間の顔の見える話の交流を捨てて、それから暮らし方を捨ててしまって、コミュニティーを捨ててしまった大量生産・大量消費・大量廃棄の時代、使い捨て文化という話の中で、捨ててしまったことの大きなセクターに、今本当にびっくりしています。やはりこれからは、技を拾い集めたり、コミュニティーをもう一回作り替えてみたり、ふれあいを作りだしてみたり、交流をしはじめたり、その技ということを軸にしながら、顔の見える、使い手と作り手とが見える、そういうようなストーリーがゴミジャンヌとしては大変魅力を持っております。

私は、あいにく隣の国には行ったことがありますが、ドイツには行ったことがないんです。ドイツに行ったことがなくても、思いをはせることはできて、ゴミジャンヌとしては,ドイツのマイスター制度に魅力を感じております。ちょっと古い話になるんですが、西武デパートのある人だったんですが、話をしていた時に、ちょうど西武デパートが“おいしい時代”なんていう企画を作っていた時です。ドイツのマイスターが作った素晴らしいバックがある。それを50個だか、500個だか忘れたのですが、まあ500個の予約をして西武で売ることになりました。店頭に置きましたら、大変高価なものにもかかわらず、2ヶ月足らずで

 

 

 

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