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力」と書いてあって、行政とのコミュニケーションはもういらん、市民相互が参加して町をかえていくという状況がトップにおいてあって、その中に「市民研究」と書いてあったんです。これ私がインチキしてつくっているのではありません。英語では“citzen's investigation”と書いてありました。これが実は今から10年前にできている。アメリカの環境保護庁が使っているマニュアルにでてきた訳です。

もうあまり時間がありませんが、福屋議長さんも「リサイクル劇場都市吹田」という言葉を使って下さいました。

まだまだそこまでたどりついておりませんが、私の半分ことば遊びのようなものですが、リサイクル、リサイクルと書いておった時にですね、リサイクルの“ク”に点を一つ打ってみたらリサイタルになる。あっこれは面白いと思って、例えばミュージカル等がどういうプロセスでミュージカルになってきたかということ、百科事典で調べましたらここに書いてあるとおりのことが書いてありました。

だから単に「あなた、五種分別しなければだめよ」というお芝居を組むのではなくて、もっとそこに小説家の人が入り込んでくる、あるいは劇団のシナリオがリサイクル社会になる。こういう形ででてくればすばらしいんではないかということです。

ようやくここに、創発の一歩手前のところにきたのかなあ、ということをここに書きました。今年ですね、黒川 博行さんという人が『疫病神』という本の中で産業廃棄物を取り扱ったサスペンスをお書きになりました。黒川さんは大阪の方です。ごみを捨てる裏社会の話ですね、やくざ屋さんですわ、簡単にいうと。その人たちがリサイクルする裏のことをかなり仕切ってるとこういうことを、きちっと、取材されてこの本をお書きになりました。これはすでに映画化することが決まっております。それからミュージカルをやっております「ふるさときゃらばん」という劇団が、「裸になったサラリーマン」をやりました。私はこれNHKでみたのですが、明らかに松下電器の子会社にグローバル産業という名前がついておりました。ごみをたい肥化する機械を作ることによって倒産寸前の会社を持ち直したというシナリオがミュージカルになっているわけです。で、その倒産するかもしれない企業の社員の奥さんたちまでが協力をして、この会社をコンポスト装置で盛り返す。

最後にちょっと我田引水、自画自賛をやりますが、私共の研究会「グループCI」というのが「エコッ知さんちの1週間」という歌を作って、多分今晩ごひ露できるのではないかと期待しております。

やっとリサイクル都市を創発する準備が整ったというのが私の印象であります。

一番最後に1枚だけ「おやっ」という図だけご覧に入れましょう。

これは私の夢であります。現在炭素税をとれば炭酸ガスが減るのではないかとか、いろんなことを言われていますね。しかし私たちはあまりにも自動車に依存している。自動車は家庭の炭酸ガスの22%を占めている。こういう状況で廃車大国日本の選択、これをリサイクルプラザの市民工房で、例えば自動車のデポジット制、自動車の鉄でできたくず鉄の塊を何個持ってるかという数でお金を出すべきではないかというのが私の今の突飛なアイデアです。いくら税金をとってもどこへいくかわかりません。今の税金は、現在の消費税の5%もそうですね、払ってない人も多いらしい。ポンコツ自動車1台分の鉄は450キログラムもあって、これが8畳分に相当する部屋の鉄筋になるよ、アルミニウム20キログラムはアルミ缶1,000個に相当するよ、もちろん自動車の中にあるアルミではアルミ缶はできません、これは逆ですが。面白いのは白金がどこにあるのか知りませんが0.8グラム入ってまして、これで指輪1個出来るよ、だからこれで指輪を作ってきた人は次の車を買ってもよろしいとこういう。まあ、これ実際にアメリカの評論家がこういう話を書いているんです。

ポンコツ・キューブを基軸にしてドルを出すようにしないと将来の地球は無いと。このことも私は20年前から言ってきたのですが、やっぱりこの巨大な経済社会を変えることはできません、現在のところ。しかし、今年から5年したら、私共は10周年を迎えますが、その時めがけて今言いましたことを急にやろうとは思いませんが、少なくとも、こう真っ直ぐに進んできた経済社会を多少横向きにかえる。そういうふうにしないとその創発もただ単なる一時の流行に終わってしまうことになると思います。

私もあとしばらく、市民研究所長で頑張りたいと思っております。よろしくご声援いただければとお願いしまして、講演を終わらせていただきます。

 

 

 

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