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ダイムラーベンツ、マツダのPEM燃料電池に関する直接的な情報がある。

マツグの燃料電池電気自動車はゴルフカートである。実際の車とは全然似ていないものである。しかし、1992年に最初に示された設計概念から学ぶことはたくさんある。それは二つの35バラード燃料電池を持ち、水素は金属水素からタンクに貯蔵される。そして電池に42psiで供給される。純酸素は従来の高圧ポンペに貯蔵された。このようにして空気圧縮機制御装置は必要なくなった。最高出力は8.1kW(46ボルト、175アンペア)で、5.5kWの直流モーターの出力に対し十分であった。

この、7馬力のゴルフカートの重要な諸元は、最高速度(時速12マイル)や燃費(従来の熱機関の103マイル/ガロンと同等)ではない。むしろマツダの解析にあったように、その他の推進されている車両との比較したシステムの総効率である。

添付したグラフにはこれらの結論が要約されている。そこには時速37マイルで248マイル走行した時の総理論エネルギー消費や、自動車でエネルギーに変換される前に発生する輸送や製造のエネルギーロス及び自動車上で動力に変換される燃料エネルギーを示している。

いくつかの注目すべき点がある。いくつかの推進されている車両は車両重量を考慮に入れている。ガソリン自動車は、正味エネルギー消費でいい状態である。内燃機関の本質的な効率の悪さの中で良くやっている。バッテリー電気自動車は非常に効率の良いモーターを持っているが、重く一次エネルギーからバッテリー端子までへの過程は長い。マツダの燃料電池電気自動車はどの分類においても優れてはいない。エネルギーの使用は走行中バランスがとれている。そして、燃料電池電気自動車が先端技術にもたらす目標が合理的であると見なされている。

メルセデスベンツの1企業体であるダイムラーベンツはMB180ミニバンベースの燃料電池電気自動車を製作した。それはNew Electric CarつまりNECARと呼ばれ、圧縮水素を用いたバラードの燃料電池を使用していた。NECARは1993年後半より使用され、何千マイルか走行した。このミニバンの後ろに積載された、科学装置、その支持装置及び推進システムから、まさに走る実験室であり実証車両であった。しかし、それは同時にこのドイツの会社の燃料電池の研究開発への傾注を表すものであった。

他と同様にダイムラーベンツは総合的な全体像に重きを置いている。いくつかの推進されている車両のエミッションデータがグラフに示されている。注目すべきはガソリン車におけるHCスパイクである。また、同時に注目すべきはバッテリー電気自動車のHC、SO2、特にCO2、発電のすべての副生物である。 しばしば、電気自動車の解析において過剰に見られる。マツダの結果にあるように、燃料電池電気自動車利点は、その総合システムが考慮される時に明白となる。

バラードの第1段階のバスは、現在1年以上も実証走行を行ってきた。このRE32モデルは32フィートで22000ポンドの重量である。20席及び立ち席の乗客が乗ることができる。これは8個のPEM燃料電池を三つ合わせたもので、120kW(161馬力)発生する。CO2ゼロを強調するために、最初の開発では圧縮水素が燃料であった。電池への空気の供給はターボチャージャーと組み合わせた電気動力のスーパーチャージャーを使った。ターボチャージャーは燃料電池の熱で駆動される。

 

 

 

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