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1 要約

バイオアルコールは、エコサイクル社会に向けて、あるいは温室効果、酸性雨及び健康危険因子を低減するため、運輸部門に対し長期的に有効な潜在能力を持っている。

・ フレキシブル燃料自動車(FFV)を導入し、ガソリンの基材としてエーテルを入れることで迅速な変更が可能である。また、適切な輸送業者に重量車用ディーゼルエンジンの燃料としてエーテルを使用するための開発を継続していくことでも同様に可能である。

・ 穀物(小麦)やリグノセルロース(木材)からのエタノールの製造に対する全連鎖(生産から消費までのライフサイクル)の分析により、化石燃料からの生産物の代替として、自動車用燃料、飼料、システム外燃料の使用に対し、化石燃料それぞれのエネルギーユニットで4〜14倍得ることができることがわかった。小麦ベースの連鎖において、数値は4〜8であったが、小さいスケールや地方での応用ではもつと高い数値となる。木材ベースの連鎖では、その数値は9〜14である。低いほうの値は、Salixの集約栽培を、高いほうの数値はCASHプロセスによる粗放林業や転換を表している。

・ 必要条件は、全ての連鎖の中でバイオ燃料は自動車用燃料及び一般燃料として使用されるということである。これは、今日のエタノール生産プラントに一般的には応用することはできない。化石燃料の代わりにバイオ燃料が使用される時、化石燃料から発生する二酸化炭素の低減は、少なくとも80%となる。

・ 外に対し使用できるエタノールの産出量は(エネルギーユニットで)低く、穀物ベースでは、23〜33%、木材ベースではおおよそ19%である。副生成物は総エネルギーの50%以上である。

・ 化石燃料からの二酸化炭素の低減に付随し、窒素酸化物(エタノールからは40%)、パティキュレート、PAC及び他の発ガン性と関連した排出ガスの顕著な低減が測定により示された。しかし、さらに環境に対しより影響評価をするべきである。

 

2 背景-目的

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