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3.3.2.2 健康に関する事項

 

エタノールは、メタノールより毒性が低い。エタノール蒸気に対する時間加重平均許容濃度(TLV‐TWA)は、メタノールの200ppmと比べると1,000ppmである。エタノールが広く皮膚に付着した場合、炎症およびかゆみを引き起こす。従業員によるエタノールの故意の飲用についての懸念は、連邦アルコール税を回避するために、産業用アルコールは変性させなければならないという事実によって緩和されている。変性したアルコールは、メタノールやガソリンのような少量の有毒な物質(化学的あるいは物理的方法によっては容易に除去することができない)を含むエタノールである。 しかしながら、エタノール燃料は基本的には食物であると広く宣伝されおり、従って、燃料エタノールの変性に関しユーザーの間に混乱があるかもしれない。

 

3.3.2.3 環境に関する事項

 

エタノールに関する環境上の主要な問題点は、メタノールに関するものと同じである;それが水溶性であるため、エタノールの流出が下水道あるいは排水システムに達しないことを保証するための厳しい事前対策が必要である。これら同様の事前対策は、大量燃料輸送の状況には保証されない。

 

3.3.3 圧縮天然ガス

 

3.3.3.1 概説

 

天然ガスは、米国において車両燃料として数十年来使われている。天然ガスの住宅用および産業用の使用のために、産業界は、他の液体あるいはガスの自動車用代替燃料よりかなり広い独自の配送機構および供給ネットワークを持っている。 天然ガスが液化させられない限り、大量輸送および大量貯蔵の問題は、タンクローリーにより貯蔵所に輸送される他の大部分の自動車用代替燃料と全く異なる。(液化天然ガス(LNG)については、次の章でふれられる)

 

天然ガス車両のための典型的な燃料システムは、車両の高圧シリンダに貯蔵された高圧(通常20〜25Mpaまたは3,000〜3,600psi)ガスを使うシステムである。そのような高圧の天然ガスの時蔵には、重く比較的高価である非常に頑丈な貯蔵タンクが必要となる。圧縮天然ガスのこの際立った特徴は、安全問題に対する影響の最たるものである。

 

圧縮天然ガスは、一般に事業所の燃料設備において事業所内の高圧貯蔵所と連携し、近くの天然ガス・パイプラインから供給された圧縮機を使い現場生産される。 例えば、非常に大きい事業所に関して、好まれるアプローチは圧縮機の流率が車両タンクを10分以内に一杯にするに十分な圧縮機からの直接急速充填を含んでいる。

この充填の効率を高めるために、車両燃料タンク容量の3〜4倍の容量を持つ中間高圧貯蔵タンクが必要となる。遅い充填(一晩)なら大きな貯蔵タンクは必要でなく、小さなバッファタンクで十分である。

 

3.3.3.2 安全に関する事項

 

(a)火災の危険性に影響を与える一般的特性

 

天然ガスは、主として少量のエタン、プロパンおよびブタンを含むメタンから成るガスの混合物である。これらのより重い炭化水素(すなわち、エタン、プロパン、およびブタン)は、天然ガスのオクタン価を下げる傾向がある。 従って、天然ガスの実際の組成は、事業

 

 

 

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