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(2) 外貿定期コンテナ航路開設に向けた課題

外貿定期コンテナ航路開設寄港の条件を踏まえ、熊本県における外貿定期コンテナ航路開設のための課題を整理すると次のようになる。

 

?県内貨物の県内港湾への集約化

熊本県発着の外貿コンテナ貨物量は、「平成5年度輸出入コンテナ貨物流動調査」によれば1カ月に約3,900TEUで、1週間では約975TEUとなる。

たとえば韓国航路1本に絞ればデイリーでの就航も可能となる数量であるが、あくまでもこの数字は、現在は「北九州港」「博多港」「大阪港」「神戸港」で取り扱われている数量である。そこで,この県外の港湾で積み卸しされている貨物をいかにして県内港湾に集約するかが鍵がある。

参考までに次ページに熊本県の輸出・輸入のコンテナ貨物の国別データを掲げた。

(平成5年度輸出入コンテナ貨物流動調査)

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?荷主及びベースカーゴの確保

ヒアリング等によると、輸入貨物は比較的集まりやすいが、輸出貨物が集まりにくいのではないかという懸念があったが、コンテナ貨物流動調査によると、輸出が輸入を上回っている。輸出入のバランスをとるため、輸出入業者を確保すること、また、掘り起こしをして、幅広い荷主と貨物を確保する必要がある。

 

?背後圏の拡大

熊本県が九州の中央に位置していることから、北へも南へも便利な立地であることを活かして、背後圏の拡大を図る。八代港の飼料ターミナルが完成してからは県内、県外を問わず利用者の背後圏は拡大した。この経験を活かし、熊本港利用のメリットを浸透させるため官民一体となった強力なポートセールスが必要である。

 

 

 

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