3. 外貿定期コンテナ航路開設についての可能性
(1) 外貿定期コンテナ航路寄港の条件
県内の港湾における外貿コンテナ航路開設の可能性について検討するため、まず船社に対するヒアリング調査によってアジア域内航路を中心に寄港の条件を把握した。
以下、ヒアリング調査で得られた内容を中心に寄港の条件を整理した。
?航路開設に必要な貨物
航路開設の条件でもっとも重要なのは船型に応じた貨物量の確保が可能かどうかである。
貨物についての条件は次のようになる。
●安定したベースカーゴの存在
1回の寄港にはポートチャージ、代理店手数料等を考えると、200TEUの船で1回50TEU程度(積み卸しを合わせて50TEUなので、積み25TEU、卸し25TEUで可)の貨物が必要とされる。
●輸出入のバランス
輸入貨物は比較的集まりやすいが、空コンテナの回送コスト等を考えれば、極力ロスを小さくするために、往路、復路とも実入りコンテナを多くしたい。そのためには輸出入のバランスがとれることが求められる。
●品目の多様性
特定の荷主の貨物に頼りすぎることは危険である。経済状況あるいは、生産計画の変更によって、ベースカーゴの存在が左右されることになるからである。そのために、できる限り幅広い荷主の確保、扱い品目の多様化が求められる。
?必要とされる港湾の機能・施設
●コンテナターミナルの整備とバースの優先使用
定時性の確保のためには、ターミナルとコンテナヤードが欠かせない。また、航路がいくつもある港湾ではバースのバッティングがないようバース利用の優先権の確保が必要となる。
●ガントリークレーンの設置
コンテナ埠頭の目印ともなるガントリークレーン、大型の船舶には必需施設ともいえるが、小型船の場合には必ずしもガントリークレーンは必要ではなく、トラッククレーンで十分という意見も聞かれる。
●リーファコンセント
冷凍コンテナの普及が著しいことから、ヤード内にそのためのコンセントが必要である。リーファコンテナを利用した食料品の輸入は今後も増加の傾向が見込まれる。