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の事件に引き続き、神戸市における小学生殺人・死体遺棄事件が発生し、子供を持つ親や、学校関係者らに大きな不安感をもたらした。

当モデル地区では、6月6日緊急に「学校と警察の合同会議」を開催し、学校関係者、教育委員会、地元防犯委員(推進員)らが出席して、「児童生徒を守るための対策」を検討した。

その結果、それぞれの立場で最大限の努力を払い、地域の安全、特に「児童生徒の安全を守る活動」を、次のように決定し地元住民の協力支援を受けながら、実施することにした。

◇ 警察側では、登下校時間帯を中心に学校周辺、主要通学路に対する街頭警戒の強化、パトカーの赤色好常時点灯で管内走行等

◇ 学校側では、集団登下校の徹底と警戒、家庭との連絡強化等

◇ 地区防犯協議会では、集団登下校時に班長などが携帯するよう、管内全小学・中学校に防犯ブザーを1300個を購入配布する。

◇ 管内防犯委員各支部では、6月30日までに順次会議を開き、地元小学校の校門前や通学路周辺の立番やパトロールを、毎月1回ないし2回行い児童生徒の安全を守る活動を計画実施する。

特に防犯委員(推進員)が、毎月いわゆる『防犯の日』の活動として、新たに作成した『防犯旗』(縦80センチ、横100センチ緑色)を携行し、定期的かつ継続的に、積極的な街頭活動を続けている。

この活動に対し、地域住民からは「最近、子供が被害者になる事件が発生しているので心配です。防犯委員さんが定期的に安全パトロールをしてもらっていると聞いて、喜んでいます。子供たちも、防犯の旗を持った防犯委員さんの姿が見えたら、安心感を持つと思います。」と好評を得ている。

 

5 モデル地区活動の効果

 

(1)防犯関係ボランティアの自主活動の促進が図られた。

○ 防犯委員の組織化と定期的な活動の定着

従来の防犯委員支部に「班長制」を導入し、いわゆるピラミッド型組織に改編したもので、班単位の活動が可能となり、防犯委員各個に地域安全の担い手としての自覚と認識が生まれ、自主活動を促す結果となっている。

○ 定期継続的活動の実施

児童生徒に対する凶悪事件の発生が背景となり、防犯委員が自発的に各支部の実情に合わせて毎月1回ないし2回の実施日をきめ、これを『防犯の日』と定め、地元小学校の校門前及び周辺での、立番やパトロール活動が継続して実施される気運ができた。

(2)各種機関・団体問の連携が強化された。

本モデル活動の推進員を各方面、団体から委嘱した結果、地域安全思想、活動方策等々を各推進員が所属する機関・団体に持ちかえることにより、その機関・団体に地域安全に対する認識、活動の取り組みの気運が醸成され、各種活動への自主的な参加とともに合同の会議、活動等がスムーズに行え、各団体間の連携、情報交換が強化された。

 

 

 

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