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4 活動事例

 

防犯広報用路面表示ステッカー「かぎ だいじょうぶ?」の貼付活動による防犯意識の浸透

(1)趣旨

平成9年10月11日から20日まで実施された「全国地域安全運動」に伴い、「防犯モデル団地」としての住民の安全意識の高揚と継続的な広報啓発活動を展開するとの考えのもとに、福島地区防犯協会連合会の協力により、県内で初めての試みとして、自転車の盗難や車上ねらい、空き巣ねらい対策として、鍵掛けの啓発のための路面表示ステッカーを団地の出入口、交差点、各家庭の出入り口、駐車(輪)場の出入口等に貼付することとした。

(2)貼付場所の検討

幼児から大人まで、誰でも、どこでも見ることができるよう、自宅の出入口、歩道上、交差点、団地の出入口、駅の駐車場、駐輪場、地元企業(事務所)の駐車場等を選定した。

(3)関係機関、団体の協力

ステッカーの貼付に当っては、防犯協会松川支部、福島地区防犯指導隊松川分隊及び美郷団地自治会役員の協力を得て、100枚を貼付して、広報活動に努めた。

(4)貼付結果と反響

ステッカーの作成と貼付活動については、地元新聞「福島民報」及び「福島民友」で大きく取り上げられ、地元住民からも「鍵の掛け忘れに大変有効で、子供たちの鍵掛け励行の意識付けにも大変良い。」と好評であり、更に、他の地区の防犯協会からも問い合わせがあり、今後、管内全域に浸透させる予定である。

 

5 モデル地区活動の効果

 

(1)環境設計による犯罪のない街づくり運動を、地域安全活動推進員が中心となり、団地内の住民はもとより、自治体(福島市役所及び松川支所)、防犯協会松川支部、防犯指導隊松川分隊、地元企業等に働き掛けたことにより、地域の連帯意識と地域安全意識の浸透化を図ることができた。

(2)モデル地区活動を推進していく過程で、活動推進員が「防犯モデル団地ニュース」や地域安全広報用チラシ等の発行を定期的に実施したことにより、推進員の存在をアピールするとともに、地域安全活動の重要性を認識させることができた。

(3)住居環境そのものを犯罪に強い構造にするというハード面から、自治体に対する防犯灯の設置要請活動を強力に推進するとともに、団地住民自らが、一定時間各家庭の門灯を一斉に点灯する活動を推進するなどにより、住民自身が夜間でも明るい街づくりをしようとの意識が芽生え始めて来た。

その結果、防犯灯及び街路灯の設置数は、平成9年12月末で230灯(前年比+60)となり、着実に増設されつつある。

(4)地域安全活動推進員の草の根的な活動により、モデル団地内の犯罪発生は、平成9年中は車上ねらい及び自動販売機荒らしの2件(前年は、工事場荒らし1件)であり、100世帯当たりの発生件数も0.75件と福島市全域の100世帯当りの発生件数5.1件から比較しても、極めて低く抑制された。

(5)地域安全活動促進モデル地区活動により、地域安全活動に弾みがつき、多くの団地住民から「防犯には、住民一人ひとりの心構えが不可欠であり、これからも犯罪に強い環境づくりとともに自分達の防犯意識も高めていきたい。」との声が聞かれた。

 

 

 

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