日本財団 図書館


(3)金融機関の立入り巡回指導(犯罪発生抑止活動)

本荘・由利地区は、住宅の増加・観光施設の開業などに伴い、銀行等金融機関も増加傾向にあり、業者間の競争意識の熾烈化による利用客と密接な営業方法が防犯上の問題を生み出している状況にあることから、各地区防犯協会員らと連携の上、金融機関への立入り警戒を積極的に展開して防犯診断を実施するとともに、防犯資器材を購入・配布するなど防犯意識高揚を図った。

 

<効果的活動事例(高齢者保護活動)>

〜高齢者対象の安全パトロール〜

本荘・由利地区内の東由利町は、県内各市町村の中でも住民の高齢化が進んでおり、実際、高齢者対象の交通人身事故・遭難事案等が増加傾向で役場合社会福祉協議会等関係機関内でも高齢者対策が問題化されている現状にある。

そこで、これまで各機関が単独で実施してきた高齢者対策を一本化して一層効果的な活動とするため、東由利町社会福祉協議会及び本荘警察署が事務局となり、東由利町役場・本荘消防署等関係機関職員を推進員とした高齢を対策チームを設定、活動することとした。

活動内容は、高齢者宅の訪問活動・悪質商法被害防止等に関する地域安全講話の実施・高齢者対象の臨時困り事相談所の開設等多岐にわたったが、なかでも、民間の電力・ガス会社・建設土木会社・自転車店等に協力依頼して、推進員等とともに定期的に高齢者宅を訪問、高齢者の悩みごと・困りごとを積極的に聴取解消し、家屋内・利用自転車等の修繕・改善をボランティア的に実施するとともに、高齢者利用施設並びに通行道路を巡回し危険箇所の点検・修繕するなど住民一体となった高齢者の安全確保活動を展開した。

高齢者、特に独居生活者は、これまで社会参加活動に消極的であり、精神的にも不安定になりがちであったことから、各種事件・事故に遭遇する可能性が高く、その対策が急務となっていたが、本件活動により高齢者特有の孤立感が払拭され、町や町内会が主催する行事等への高齢者の自主的参加が倍増したことに加え、高歯令者対象の事件事故が激減したほか、高齢者家庭の家族などからも感謝とともに、継続的な活動を要望されるなど活動の成果は多大であった。

 

5 モデル地区活動の効果

 

本荘・由利地区は、旧来からの居住者が多く、「地域を守る」意言哉は非常に強い土地柄ではあるが、その共通した意識は防衛型であり住民一体となった新しい施策などに対しては消極的な面が認められた。

しかし、モデル地区として住民一人ひとりを地域安全活動の輪の中に取り込み、地区単位の自主的活動を中心とした攻撃的な「地域を守る」活動を展開した結果、当初は防犯協会長等関係者のみの活動であったものの、活動効果が挙がることで一般住民との連携も密接なものとなり、積極的に意見・要望が出されるなど地域住民の意識高揚及び一体化に多大な成果があった。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION