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点として、犯罪被害に遭遇したり不安を感じた子供が逃げ込める場所である「こども110番の家」の設置に取り組んだ。この活動は、急速に全国的な広がりをみせて全国で約36万の設置をみたところであり、地域住民の評価も得て、地域安全意識の浸透、高揚に大きく貢献した。

このほか、広い意味で

○ 犯罪等の発生を抑止する活動

○ 地域安全(安心の街づくり)のための広報活動

○ 有害環境浄化活動

○ 生活弱者の保護活動

具体的には

○ 街頭パトロールによる防犯診断、安全点検、安全設備の整備・改修

○ 地域安全ニュースなどの発行、配布・回覧による地域安全活動の啓蒙、意識の高揚

○ Fネットの構築及びその活用

○ 各種イベントの企画、開催とふれあい活動

○ 有害ビラ、チラシの撤去、有害自販機の実態調査とその撤去

○ 独居高齢者宅の巡回訪問指導

などの活動を展開している。

また一方では、次のように、地域の実状に応じた活動やユニークな活動を行っている。

○ 長野県「大町地区防犯協会ホワイト・スノー環境浄化推進モデル地区」は、管内で行われる冬期オリンピックに出場する選手、関係者及び観客が多数訪れることから、冬期オリンピックの開催を機に、「長野オリンピック・パラリンピックホワイトスノー作戦」と銘打って、安全意識の高揚とボランティア活動を通じた社会参加を促進し、かつ、永続的な地域安全活動を展開することとしている。

○ 沖縄県「浦添地区地域安全活動促進モデル地区」は、推進指導員等の選任に当たって、各種防犯活動の推進には女性層の積極的参加が不可欠との認識から、地区内の婦人連合会長、PTA連合事務局長ら女性6名に委嘱し、これが女性層の防犯活動への積極的参加をみている。また、静岡県「伊東地区地域安全推進員女性部会」(愛称〜伊東つばきレディース〜)においても、女性特有の活動を推進し、街頭広報などとくに広報啓発面で顕著な実績を上げ、地域安全活動全般の裾野を拡大するうえで多大な成果を上げている。

○ 福島県「防犯モデル団地美郷ガーデンシティ」においては、住民が、安全で快適な生活環境づくりを自覚するために、夜間の一定時間、各家庭の門灯を一斉に点灯する運動を展開した。

○ 愛媛県「三津地域安全活動促進モデル地区」は、松山西警察署管内の中・高校から、薬物乱用防止うちわポスターを募集し、地区内のスーパーに展示するなどして、少年の薬物乱用防止の意識づけを行った。

こうしたモデル地区活動は、安全なコミュニティづくり、安全な地域社会づくり、好ましい環境づくりなどのための連帯意識を育てる基礎をなすものであって、それらは長期継続的な努力によって成果を生んでいくものであるが、各都道府県のモデル地区においては、例えば、

○ 宮城県では、地域住民が身近かに感じている侵入窃盗、自転車・オートバイ盗、ひったくり、置引きは、前年比それぞれ-13件、-69件、-12件、-35件と減少した。また、強盗5件、強姦2件、強制わいせつ12件の凶悪犯罪が発生したがすべて解決した。

○ 山梨県では、管内の事件発生件数が県内3番目の地域であるが、刑法犯発生件数が前年比-374件、-38.9%と大幅に減少した。とくに目立ったのは窃盗犯で、前年比-366件、-41.6%である。

○ 兵庫県では、少年非行防止活動を重点に、街頭補導活動や広報啓発活動を積極的に推進した結果、少年による強姦等の凶悪犯は前年比-8人、粗暴犯前年比-4人と減少した。

というように、現実に犯罪発生件数が減少するなどの成果を上げており、活動を継続し、裾野の拡大を図ることによって、更に大きな成果に結び付くものと思料される。

 

 

 

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