日本財団 図書館


(3) ケア付き宿泊施設

高齢者が家族と共同体で住むことを奨励する政府の政策に沿って、一般的にケア付き宿泊施設は奨励されておらず、高齢者の最後の手段にすぎないと考えられている。入所基準の高齢者向けホームの指針には、「高齢者のケア付き宿泊施設は最後の手段と考えるべきである・・・ケア付き宿泊施設は、肉体的または精神的な疾患の理由で、家庭でのケアができない高齢者に限られる、という事を確実にするために大きな注意を払わなければならない。」と書かれている。(共同体開発省、1986:27)

 

高齢者諮問評議会の報告書(1989年)では、60歳以上の高齢者は、ケア付き宿泊施設の調査で次の三つのグループに分けられている。

○タイプA:自分の身の回りの世話が充分出来る健康な個人。彼らは歩行でき、ごくわずかの医療を必要とする。

○タイプB:自分の身の回りの世話が不自由な個人。彼らは、入浴・食事の介助、低レベルの医療/看護の様な身の回りの援助を必要とする。

○タイプC:高レベルの医療/看護の必要な個人。彼らのほとんどは寝たきりである。

 

高齢者が利用できるケア付き宿泊施設には三つの種類がある。貧困者のための福祉ホーム、シェルタード・ホーム、ナーシング・ホームである。最初の2種類のホームは、タイプAとタイプBのグループの高齢者に提供され、ナーシング・ホームは、タイプBとCの高齢者を収容している。

貧困者向けの福祉ホーム三つだけが、政府の運営する高齢者向けケア付き宿泊施設である。これらのホームは、貧しい高齢の移住者に避難場所・食料・家事・その他の自律機能の提供を支援するために始められた。これらのホームでは、高齢でない乞食および浮浪者も収容している。貧困者法(1988年)の条項の下に、職を見つけて共同体に戻るのを支援する訓練が彼らに提供される。これらの政府のホームの入所者の数は、1991年の626人から1994年の217人に減少している。可能な場合は、貧しい高齢者は、ボランティアの福祉団体に紹介される。これらの団体には、これらの貧しい高齢者向けのシェルタード・ホームやナーシング・ホームを建設するための援助が増やされている。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION