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齢者自身の人生の質と意義のある、尊厳のある第二の人生を過ごすためにも、自立の考えを樹立すべきである。その実現には国、社会、家族の手助けが必要である。

?大いに経済を発展させ、社会保障を実現する必要がある。健康高齢化の実現は各領域に及ぶので、経済を発展させるのは基本中の基本である。それがなければ、他のすべての対策は実現不能になる恐れがあるからである。80年代の改革開放以来、目標としてきた近代化は、この健康高齢化を実現する具体的な基盤づくりである。当面、養老保険制度や医療保険制度の改革が進められているが、やがて上海市の経済発展の水準にあった会社会をカバーできる社会養老保険制度や医療保険制度に発展させることこそが健康高齢化を実現する必要な条件である。高齢者自身の活力も生かし、社会の発展に大きく貢献できることとなり、高齢者は社会の重荷ではなくなり、貴重な人的な資源に変わる時代が到来するのが、21世紀である。

1993年3月に、中国の全国老齢協会は「21世紀に向けての健康高齢化を促進することが我が国の高齢化への戦略」と題する論文を発表し、健康高齢化は高齢者個人、高齢層全体、高齢化社会の環境に求められる。それは全国民、子孫代々の幸福に関係する問題と認識し、健康な高齢化を目指し、高齢化社会の研究は健康な生活方式、健康な社会経済体制とその運営に重点を置きたいと述べている。

 

まとめ

現在から21世紀の半ば頃までは、中国にとっても上海市にとっても大切な時期である。その過程で高齢化も進む。その対応も含めて上海市にとっては、これからの時期はさらに貴重である。

すでに、上海市だけでなく、中国全体の社会経済が多くの領域で「変換」のプロセスに遭遇している。とくに市場経済の進展は人々の生活行動を変化させ、旧来の養老保険システムをはじめたくさんの制度、慣習に影響を与えている。

 

その「変換」については、『中華人民共和国国民経済と社会発展の5ヵ年計画と2010年目標要領』が指摘している。「変換」の一は、数

 

 

 

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