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フランスの出生動向と家族政策−少子・高齢化に関する国際研究−

 事業名 高齢化社会対策推進のための調査研究等
 団体名 エイジング総合研究センター 注目度注目度5


D 子どもを育てる経済的負担

フランスでは20年ほど前から、夫婦がそれぞれの生活を守る自由が賞賛されるようになった。そのために子どもを持つと自分の楽しみを犠牲にしなければならない、あるいは家計が厳しくなると考えて、子どもを育てることは束縛だと考える人が増えてきた。

フランス人は、3人目の子どもを持つか否かを考えるとき、より広い住居に引っ越さなければならない、自家用車も大型にしなければならないと考える。母親にとっては仕事との両立が難しくなるという問題もある。3人目の子どもを持つと、妻が仕事を辞めたりパートに切り換えたりするために家計が苦しくなるうえに、子どもに直接かかる費用(教育、食費など)も加わることになるのである。

国立統計経済研究所(INSEE)は、1983年から子どもの養育費に関する研究を行い、その結果を1989年に発表した。それによると、年所得が164,000フランのカップルが1人の子どもを養育する費用は、1ヵ月4,100フランであると推定されている。2人の子どもがいる家庭は7,800フラン、3人の子どもがいる家庭では11,000フランである。しかし研究者がとった方法は、「以前の生活水準を取り戻すことができる所得の追加額」を割り出すこと、すなわち生活水準を変えずに子どもを養育するにはどの位の所得を増加することが必要かの算定であった。子どもが生まれた場合には、実際には家族構成員の生活水準を下げること、言い換えれば両親の出費を抑えることによって家計を切り盛りしているのが現状である。

この研究では、2人の子どもの養育費は子どもが1人の場合の2倍にはならないとも結論している。また「子どもの年齢が高くなるほど家計に重くひびく」ことも明らかにされている。これは義務教育が終わってからの教育費が高くなることが大きな原因になっている。また「経済的に余裕がある家庭ほど、子どもにかける費用が高い」傾向も見られる。

子どものための支出は、子どもが1人の夫婦で年8,663フランであった。子どもが4歳未満のケースでは年16,552フランと高くなっているが、これはベビー・フード、おむつ、粉ミルク、乳母車などの購入や、託児所の費用がかかるためである。幼児のための支出の中で主な項目は、衣服費(39.3%に相当する年6,514フラン)、託児ないし子守の費用(35.6%に相当する年5,902フラン)である。この年平均支出額は、2人の子どもがいる家庭で年10,517フラン、3人の子どもがいる家庭で年10,201フランであった。なお子どもにかかる出費は、両親の年齢によっても差がある。子どものための支出が家計に占める割合は、両親が若いと一般的には所得が低いために、若い夫婦家庭の30%から、35歳以上夫婦家庭の11%の幅がでている。

このように子どもを育てるには金がかかるため、夫婦は何年にも渡って家計を切り詰めることを余儀なくされている。長子が誕生すると、レストランに行ったり、花や本を買ったり、車を新しくするのを控える。2人目が誕生すると、電話代やタバコ代を節約したり、ハンドバックやアクセサリーを買うのを控える。そして3人

 

 

 

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