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VI. 中間宿主員調査

 

カンボジアにおけるメコン住血吸虫の中間宿主貝はNeotricula apertaであろうが、これまでにそのraceについて明瞭な記載や報告はない。ただ、最近Attwood et al.(1997)で彼らの実験においてクラチエ地区で採集したN. apertaのgamma raceからメコン住血吸虫のカンボジア株(isolate)のセルカリアを得たと記載しているのみである。クラチエの本症流行地はラオス・コーン島の下流わずか150kmに位置することからしても、中間宿主貝はgamma N. apertaに間違いないと思われる。

今回は、この地区の本症濃厚流行地であり、しかも河床に岩石が多いKampe付近を中心に貝の調査を行った。水位は既にかなり下がっており、採集作業は比較的容易であったが、ターゲットのN. apertaはついに採集されなかった。しかしこれは予想されていたことであり、おそらく3月下旬には本種の稚貝が多数出現すると思われる。われわれの滞在期間中の観察によれば、メコン川の水位は毎日約2.5cmの率で下降していた。

 

 

 

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