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7) Soule社の1軸台車

 

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フランス国鉄の地方線区用として、ブルターニュでテストされた軽量の気動車A2E形にSoule社の1軸台車が使用されている。

通常の輪軸を積層ゴムの一次ばねで前後・左右方向には硬く台車枠に支持する。台車枠は箱形断面の左右の側ばりをパイプ構造の前後2本の横ばりでつないだ口形構造で、その四隅の位置で二次ばねによって車体からの荷重を受け持つ。二次ばねは前後方向に斜めに傾斜させて取付けた金属コイルばねとゴムから成り、前後方向には硬く、上下・左右方向にはコイルばねの剪断剛性を利用して柔らかく車体を支持する。左右方向へは45mm変位出来、これによって台車のボギーも許容する構造である。

この支持機構により、ローリング固有振動数0.7〜0.8Hz、上下1.3Hz、左右1Hz以下が得られ、60〜90km/h走行時の上下震動加速度は最大0.2g、左右方向0.lg以下が得られた。

一次ばねに対し、台車枠の対角の位置に両側各1本の上下ダンパーを、二次ばねに対しては前後の横ばり中央部分に左右ダンパーを各1本設けているほか、左右両側に前後方向に捩り棒を配したアンチローリング機構がある。ブレーキは、一方の横ばり左右に各1個の空気シリンダーを取付けた両抱き式踏面ブレーキ方式である。輪軸のほゞ中央には歯車減速機があり、駆動反力を受けるリンクが前後に横ばりの1本と連結されている。けん引装置は見当らず、前後方向に硬い二次ばねの剛性によって車体と台車間の力を伝達するものと考えられる。

この車両は、TGVアトランティックに連絡する枝線のサービスに供され、多少動揺が大きいとの乗客の苦情があるが、これは線路の不整によるものであるとされている。

 

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