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うしたことを背景に保育園などの需要が非常に大きくなり、精力的に保育園を整備してきた経緯がある。現在川崎市では、私立保育園21園に対し公立保育園88園と非常に公立保育園の割合が高く、したがってそこで働く保母などの職員が多くなっている。

また、ごみ収集は全て市直営であり、かつ最近まで毎日収集を実施していた。

市の人件費比率が高い背景には、こうした人的なサービスのウェイトが高い政策を続けてきたことがある。

公債費についても増加傾向にある。昭和58年度から平成2年度までは、起債額は毎年度300億円前後であったが、バブル崩壊後の平成3年度以降起債額が急増し、特に平成6年度、7年度及び8年度については、前述した減税補てん債の影響もあり、毎年度700億円〜900億円まで増加した。こうした起債の増発に伴い市債残高が累増し、今後その償還が増嵩してくる見込みである。

これまでは若い都市であった川崎市も急速に高齢化が進んできており、扶助費も近年伸びてきている。

こうした人件費、公債費、扶助費の伸びによって財政の硬直化は深刻な状況となっており、今後もその傾向は進むと考えられる。

(イ) 大規模施設建設に伴う年間所要経費の増大

最近の市民利用施設の大規模化に伴い、公債費や施設の維持管理費が増大しており、平成6年度〜7年度に供用開始した国際交流センター、看護短期大学、新臨港清掃場、等々力アリーナの4施設だけでも、維持管理費と公債費を合わせた単年度の経費は100億円程度となる。

(ウ) 基盤整備事業への対応

これまでみてきたように、義務的経費が増嵩してきている一方で、今後もまだまだ都市基盤的整備な投資を行っていく必要がある。

現在予定されている都市再開発事業、交通基盤整備事業、廃棄物埋立事業な

 

 

 

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