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変化している。

以上のような変化を背景として、川崎市の特徴であった固定資産税・償却資産分及び法人市民税の市税収入に占める割合が低下してきている。

(イ) 地方税財政制度の改正に伴う影響

近年の種々の地方税財政制度の改正のうち、国庫補助負担率の引下げや住民税減税措置については地方交付税による財源措置などがなされているが、交付税の不交付団体である川崎市の場合、交付税振替え分は全額自己財源による負担となっている。

また、平成6年度から行われた市民税の減税に対しては,減税補てん債を充て、償還費の75%が交付税措置されたが、8年度までの3年間毎年生じた150億円〜170億円の税収の減の影響を、不交付団体である川崎市は実質的には直接被った形となった。加えてこの間の地方債の発行は総額で500億円を超えており、利子負担も単年度当たり約20億円発生している。

平成9年度においては、税制改正等により、概ね150億円程度の影響が出ているところである。川崎市の一般会計規模(5,200億円〜5,300億円)や税収規模(2,700億円〜2,800億円)からすると150億円というのは大きなウエイトではないようにもみえるが、人件費、扶助費、公債費などを除いた政策的経費に充てられる一般財源は川崎市の場合500億円程度しかなく、これを考えれば非常に大きなウエイトとなっている。

 

イ 硬直化が進む歳出構造

(ア) 義務的な経費の増大

歳出面からみた川崎市の問題点の1つは、人件費の比率が高いことである。歳出に占める人件費比率の政令指定都市の平均値は16.9%であるが、川崎市は約25%と突出して高くなっている状態である。

川崎市は昭和47年に政令指定都市となったが、当時は前述した産業構造の下、地方から労働力として若年者が多く集まり、非常に若い都市であった。そ

 

 

 

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