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沿岸地域における若者定住対策に関する調査研究

 事業名 地方自治に関する調査研究
 団体名 地方自治研究機構 注目度注目度5


<就業の多様性と若者好みの職種が少なく、限られる求人数>

先の記述からわかるように、産業構造の変化は、農・漁業の衰退、製造業の低迷、観光を中心とするサービス業の成長といった趨勢にある。

農・漁業が伝統的な産業として基盤にあるが、就業機会の面で、域外通勤を除いて、製造業の多くを水産加工業が占め、若者就業の条件と照らし合わせると、都市的な産業が少なく、町内の職業の多様性は限られる。

しかも、農・漁業、水産加工業といった生ものを扱い、肉体労働型で厳しい労働条件の職種は、一般に若者好みではなく、公務や農・漁協勤務、観光サービス業など若者好みの職種も求人数が限られているなどの難点がある。

 

<希望職種の少なさが若者の町外流出を促進し、UJターンを阻害>

事実、今回の「高校3年生アンケート」によると、「求人、就きたい職種ともに少ない」が全体で6割、女子では7.5割もあり、多くの町外転出を予感させる。職場に対する評価は「体力を使う中小規模の職場が主体だが、安定しているところが多く、賃金水準は普通」が過半である。しかし、女子では4割が「不安定で賃金も低い」と評価しており、女性労働力に依存する水産加工や民宿などの日常的な見聞の反映がうかがえる。

一方、「歩行者天国部会メンバーアンケート」では、就業している若者の目からの指摘として、「中小規模、不安定で体力を使う職場が多く、求人、就きたい職種ともに少ない」、「賃金は普通か低く、労働時間は不規則で、休日も少なく不規則」と評価されている。この評価はUターン者でも同様で高校3年生と差が出ている。

「帰省者アンケート」でも転出理由として「希望する進学・就職先がなかったから」が8割弱を占め、希望に適合した職種が少なかったことが流出の要因となっている。同アンケートのUターン意向についても同様で、Uターン意向のない人の理由は「希望の職がないから」が9割、Uターン希望者では「希望の職があればすぐにでもUターンする」が4割である。

このことからも「希望職種」の有無と若者定住との関連性が明らかであり、加えて、産業の「将来性」の不透明さも町外流出に効いている側面がうかがえる。

 

(課題)

<地域改変インパクトを活かした産業構造の高度化・複合化とチャレンジする魅力を含めた多様な就業機会の拡大>

情報社会化、産業構造のサービス化など社会経済環境の変化とともに、地域高規格道路の整備(平成16年)、それに伴う産業や通勤立地条件の好転は、町内の観光・交流プロジェクト「香住海岸ルネッサンス計画(平成14年)」、住機能拡充プロジェクト「山手土地区画整理事業(平成9〜15年)」などとあいまって、大きく本町の産業構造や地域構造を改変するインパクトとなることが予想される。

具体的にいえば、通勤圏の拡大に伴う本町のベッドタウン化、輸送・流通機能の向上に伴う水産加工や商業などの物流、商流面での共同化・近代化、新産業立地の可能性の拡大、観光面では、時間距離の短縮に伴う観光誘致圏の広域化・流動構造の変化などによる潜在需要の増大などである。しかし、反面、交通立地条件の好転は産業、生活各分野において広域との競合をもたらすので、例えば購買力の流出などにみられるように、放置すれば明らかに地域衰退の契機ともなる。

したがって、広くは情報社会への移行を踏まえるとともに、これらのインパクトを活かして、今よりも多様性と複合度が高く交流活力を生み出せる産業構造へと転換し、既存産業の就業条件の改善や選択性のある職種の育成により若者定住を促進することが緊要である。

 

イ 事業展開の方向

このような状況を踏まえ、今後、若者就労の多様な機会を拡大する方向として、「町内在住」の若者やこれから社会人となる「高校生」などへの対応、「町外在住」の若者のUJIターン希望者をターゲットとして次のような展開をあげておきたい。

 

 

 

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更新日: 2020年8月8日

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