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エ 受け入れ側としての地元の認識

(ア) 地域資源に対する評価

地域資源については「特筆すべきものはない」、「たいしたことはない」と全体的に低い評価がなされているが、「自然が地域の資源である」とする意見はどの町村でもあり、本地域全体を通して自然に対する共通認識が潜在的に働いているといえる。特に七会村では「夏のホタル」や「最高基準の水質をもつ水」、「伝説の多く残る地名」など、地域住民の誇りとすべき資源が見出された。一方で全く新しいものの導入への期待もあった。

また桂村、御前山村に共通して、「那珂川」を本地域の代表的な資源だとする認識があり、「河川敷のにぎわい」や「石河原の特異性」、「風景としての価値」などを認めているが、子供は川での遊びを学校から禁止されるなど、地域住民と那珂川の日常的な接触は昔とくらべ減っている。那珂川の「カヌー」はカヌーの大会が開かれるなど「知名度がある」という点で評価されているが、地元の人がカヌーをすることは少なく、経営業者が特定されていることもあり、地域全体に共通理解されるような資源にまでは育っていない。

「陶芸」に関しては、本地域の重要な資源であるという共通認識がある。町村側としても、陶芸家の集積を活用した取り組みや支援について検討する必要を感じている。陶芸家の視点からみると、静かな自然と笠間・益子に近い立地、土地が安いことが好条件であるという。

常北町では新しいものへの期待、桂村では那珂川・御前山に代表される自然環境と多品目の農産物、御前山村では陶芸家の集積と活動、七会村では農村の原風景や散策に適したたくさんの山々、最高水準の水質を有する水が特筆すべき各町村の資源であるとしている。

 

(イ) 担い手となる人材や地域住民の意欲

● 農業、畜産業のレクリエーション的な活用への意欲

「観光果樹」(もぎ取り、オーナー制)、「地元産品の直売」、「宅配」、「農産物加工」など、農業のレクリエーション的な活用への取り組みは各町村とも意欲的に行っており、効果もでている。沿道の直売は増加傾向にあり、七会村のきのこセンターも好評だという。特に「道の駅かつらへの出品」は、高齢者の生きがい対策としても機能している。ただし需要の余地があるとしながらも、後継者の問題

 

 

 

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