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はじめに
この報告書は日本財団の平成8年度事業の一つとして実施した「アメニティターミナルにおける旅客案内サインの研究」をまとめたものである。
この研究は、平成7年度から実施した同一研究の第2年次にあたる継続事業である。
今日のわが国では、高齢者や障害者が地域社会の中で普通に生活することこそ、その人権を保証する出発点であるとの考え方が普及し、この考えから交通分野における高齢者・障害者の円滑なモビリティを確保することが重要な課題になってきている。
また都市の拡大により鉄道駅一円において顕著に集積が進み、特に大規模駅では諸施設が次々に複合され、次第に複雑さを増していることから、外国人や鉄道利用に不慣れな人、他の地域からの来訪者などを含めて利用者一般においても、さまざまな移動制約に直面している。
これら移動制約者は、共存する利用者として共通な施設を利用している。
そうした中にあって高齢者・障害者の円滑なモビリティを確保するためには、移動制約を生むさまざまな機能的、能力的な障害特性に注目して、誰にとってもハンディキャップの少ない、あるいはハンディキャップを克服できる施設を、総合的な環境として実現しようとする視点が重要である。
この研究ではその様な視点に立って、ターミナル駅における旅客案内サイン(情報提供手法)の基本的なありようを検討し、同時に高齢者、障害者に有用な旅客案内サインはどうあるべきかを検討したものである。
なお本事業は、財団法人交通アメニティ推進機構に「アメニティターミナルにおける旅客案内サインの研究委員会」を設置し、また委員会の下部機構として「幹事会」を置いて、その指導と助言のもとに調査研究を行った。ここに委員会ならびに幹事会の各位に深く感謝の意を表す次第である。
本報告書が、人にやさしい交通施設の実現の一助となれば幸いである。

平成9年3月

 

財団法人  交通アメニティ推進機構

会長 八十島義之助

 

 

 

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