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(3)バス車両に係る対応

 

バスの低床化が進展し、最近では車いす乗降用のリフトやスロープ等を装備するなど乗降容易性に配慮したバス車両が導入されつつある。しかし、高齢化社会の進展や障害者の社会参加機会の増大等を考慮すると、こうしたバス車両の積極的な導入・普及に努めることが肝要となる。
さらに、海外で普及しているノンステップバス(ステップレスバス)の国内への導入に向けた検討や実験も行われるなど、乗降や車内移動の容易性・快適性に配慮した新たなバス車両の開発も進展している。
そこで、今後はこうしたバス車両の開発動向等をにらみつつ、地域の実状や利用者の特性等に応じたバス車両の導入・普及を図り、長寿・福祉社会への対応を講じていくことが重要となる。
さらに、車内の設備としては、乗降時や座席の立ち座り時に手を添えられるような手摺の設置、無理な姿勢をとらずに押せる降車ブザーの設置等についても配慮していくことが重要となる。

 

(4)バス利用に係る情報提供面での対応

 

バス利用に際しての情報提供面において、バス停整備に係る要件としてはモデルプランに示したとおりであるが、この他にターミナル等における情報提供のあり方について今後検討していくことが肝要となる。現状では、バス総合案内システムに代表されるような情報提供システムや案内板等の方策を展開しているが、バスを利用しようとする者にとって、こうした施設の立地をわかりやすくする表示や施設までの誘導策の展開による“やさしさ”の向上も希求される。
しかし、こうした表示等によるバス利用情報の提供は、多量の情報を提供するという面では有効と考えられるが、利用者が必要とする情報を選択・入手するためには記憶や転記するなどの手間が必要となる。そこで、案内システム(板)に加え、
●利用者が持ち歩けるような路線図・時刻表等を記載した冊子・ペーパーの配布等による情報提供
等も必要と考えられ、それらを容易に入手できるよう配慮していくことも肝要となる。また、こうした情報提供は聴覚障害者(難聴障害を含む)に対しても不可欠な要件として捉えることもできる。
一方、こうした情報提供方策は視覚情報を主たる要素としていることから、視覚障害者(全盲および弱視者)に対してのバス利用に係る情報提供方策についても検討していくことが必要となる。そのための手段として、
●問い合わせ先のみを点字表示し、電話による情報提供を行うなどのシステムの確立
●点字による冊子・ぺーパーの作成・配布等を推進していくことも希求される。
さらに今後は、
●電話、ファックスやインターネット等のメディアを介した在宅での情報収集・把握の容易性向上

 

 

 

 

 

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