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2)人にやさしいバス停開発・整備の推進に向けて

 

以上の検討は、バス停空間に主眼を据えた“やさしさ”の付与に係るものであるが、人にやさしいバス停開発・整備の推進に向けては、次の事項について検討・考慮していくことが重要となる。

 

(1)バス停へのアクセスに係る対応

 

バスを利用する場合、発地や目的地とバス停間を移動する必要がある。しかし、その間には道路等の段差や部分的な勾配、幅員が狭隘な歩道など、高齢者や障害者にとり大きな制約となる要素も少なくない。また、視覚障害者にとってはこうした要素に加え、バス停の所在認知が困難というような制約もある。
これに対して、国や県等で高齢者や障害者に配慮した施設整備に係る指針や計画等が策定されており、制約解消への対応が図られつつあるが、こうした対応は緒に就ついた状況にあるともいえる。
そこで、高齢者や障害者が安全かつ容易に移動できるよう制約となる要素の低減・解消に向けた施策を今後も積極的に展開していくことが重要となる。
なお、こうした施策の展開にあたっての切り口の一例としては、以下の諸点をあげることができる。

 

●視覚障害者に係る施策
 ○音声等によるバス停への誘導支援
 ○バス停等への誘導やバス停位置の認知支援に資する誘導・警告ブロックの設置
 ○わかりやすい表示・サインの導入(弱視者)
 ○段差や凹凸等の解消
 ○安全面や周辺状況等の適正な情報提供の推進 等
●肢体不自由者に係る施策
 ○ガードレール・フェンスや植樹帯等による車いす通行の阻害是正・解消
 ○電柱・標識等の設置位置の見直し 等

 

 

 

 

 

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