日本財団 図書館


2)道路構造面に係る施策事例

 

ここでは、やさしさを付与するためにバス停の整備や改良を行う際の道路構造面に係る改良・工夫等を施した事例について、車いす使用者のモビリティ向上に資するリフト付路線バス導入に伴うバス停等の改善、およびバスの円滑な走行環境の確保に係る改善という観点より整理する。

 

(1)甲府市における事例(リフト付路線バス導入に係る改善事例)

 

?@ 施策の経緯
山梨県では、平成6年2月に県長期計画である「山梨幸住県計画」を策定し、その交通に関する部門計画として、山梨県総合交通構想(幸住県やまなし「交通ビジョン21」)を策定した。
本構想では、交通弱者対策として、リフト付バスやリフト付タクシーの導入、福祉タクシーの定着促進と活用、鉄道駅におけるエスカレーターやエレベーターの段階的導入等の施策を掲げている。
さらに、リフト付バスの導入に際しては「山梨県公共交通バスリフト整備モデル事業実施要綱」を定めて、900万円/1両を限度としてバス事業者への助成を行っており、平成7年3月現在、甲府市内2路線(5両での運行)、富士吉田市内2路線(2両での運行)においてリフト付バスの運行が行われている。

 

?Aバス停の現況およびこれに係る改善方策

 

甲府市内におけるリフト付バス導入・運行に際しては、行政、バス事業者をはじめとする関係各機関代表者(道路管理者、山梨県、山梨県警および甲府市土木部等)が協議・調整を図り、リフトによる乗降を取り扱うバス停留所を定め、乗降に必要なスペース等の確保を行った。
なお、甲府市内循環線については全バス停留所でリフトによる乗降取扱を可能としている。
一方、社会福祉村線については道路幅員等の道路現況に係る制約により、全バス停留所(37停留所)の内17停留所でリフトによる乗降取扱が可能となっている。

 

【道路構造面等に係る改善方策】
●一部道路の改良(道路管理者、警察等との協議・調整)
○段差の解消
○ガードレールの改修
○障害者マークの路面標示
○信号調整 等
●停留所前路面標示の実施
●停留所付近の違法駐車の排除
●車いす障害者グループ等との協議も行い、最終的な路線や停留所を決定
●乗務員・車いす障害者合同の乗降訓練・操作訓練
●バスメーカーにも車いす障害者の声を反映するよう配慮 等

 

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION