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序.調査の概要

 

1.調査の背景と目的

 

バスは、公共交通の中でも国民に身近な、いわば「国民の足」として重要な役割を果たしているが、モータリゼーションの進展に伴う道路交通混雑や過疎化の進展などによりバスの利用者は昭和43年度をピークに年々減少しており、バスをとりまく環境は厳しい状況にある。
そのため、バスの走行環境の改善や利用者利便の向上などを図ることにより、バスの利用促進喚起を図ることが急務な状況となっている。
一方、長寿社会の到来や障害者の自立と社会参加が着実に進展してきている中で、高齢者や障害者等の移動制約者が社会生活を営む上で必要なモビリティを確保することも喫緊な課題となっている。
こうした状況の下、バス車両自体についてはバス活性化補助金や政策金融によりその改善が進展しつつあるが、バス停留所等のバス施設やその周辺の歩道等の道路環境については依然として多くの問題を抱えている。このことは、昭和60年に行われた東京都都政モニターアンケート調査結果において、バス輸送改善策として「停留所の改善」に対する指摘が多い点からも窺うことができる。
そこで本調査は、ベンチ、防風・防雪上屋、大きく見やすい点字付き時刻表、案内表示等を装備するなど、高齢者や障害者の利用にも配慮した「人にやさしいバス停」のあり方について検討するとともに、コンビニエンスストアー等を活用した新しいタイプのバス停の可能性について検討し、バス利用者が最初に接するバス停の高質化・活性化に資することを目的として実施するものである。

 

 

 

 

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