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3.4.2 秋田港

秋田港における津波波高時系列出力点を図3-4-7に、津波波高時系列及び津波流速時系列を図3-4-8(1)〜(4)に示す。

防波堤先端の地点1での第1波は港内入り口の地点2では波高をやや減じている。港中央から北に延びる部分の地点3では地点2よりやや波高が大きくなっている。一方地点4、地点5にみられるように、津波は旧雄物川を進むにつれて波高を減じているが、地点3では港が閉じているのに対し、旧雄物川沿いには港が閉じておらず、津波が湾奥で反射しないためと思われる。津波の第1波が港口の地点1に達するのは地震発生後約36分、港中央部の地点2に達するのは約39分後、港奥の地点5に達するのは約47分後である。

秋田港における流速ベクトル分布図を図3-4-9〜図3-4-11に示す。

地震発生35分後では、津波の第1波が港口に到達するのに伴い、港口部で港内に流入する流れが見られる。地震発生40分後には津波が港内入り口に侵入しているのに伴い、港中央では最大約1m/sec強の流速が見られる。旧雄物川の奥まで津波が侵入する地震発生50分後には、港奥の狭窄部で最大約1m/secの流速が見られる。一方、港口では流れが流出に転じている。港内入り口での最大流速は約1m/secである。

秋田港の内外において流速の大きくなる水域を調べるため、最大津波流速分布を流速100cm/secの等値線として図3-4-12に示す。図をみると、港内では北側防波堤の周辺、南側の防波堤の切れ目、港中央部、港奥の旧雄物川の狭窄部等、港外では岸寄り一帯が大きな流速の生じる部分となっている。

 

 

 

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