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3.2 各港湾における計算津波高と実測津波高比較

モデル港湾として設定した能代、秋田、酒田の各港湾での計算津波高と実測津波高の比較を行った。

3.2.1 能代港

能代港での津波高測定結果と計算結果を図3-2-1に示す。

能代港外では、米代川北岸の砂浜海岸(A)では計算結果は9.5mとなり、実測の5〜8mより上回った。また、東北電力火力発電所建設予定地南側の海岸(L,M)では6m強であり、実測とほぼ近い値となっている。能代港北防波堤(H)での高さは4.3mであった。能代港内の米代川と隣合う泊地(C〜G)においては、計算津波高は入り口(C)で約2.3m、港奥(G)で約4.6mであり、実測での津波高の分布と似た分布となっている。北防波堤内側の埠頭用地の角(I)では計算津波高は4.4mであり、実測とほぼ一致している。

東北電力火力発電所建設予定埋め立て地護岸(J)での計算津波高は5.4mであり、護岸部を越波している。倒壊した護岸部分の背後陸上部(K)では計算津波高は2.4mであり、実測より低いが、実際は護岸が津波により倒壊していることに起因しているといえる。

上に述べた津波高測定結果と計算津波高の関係をまとめたものを図3-2-2に示す。図3-2-2で、横軸は実測津波高、縦軸は計算津波高、図中の点は津波測定地での両者の値を表している。一つの地点で複数の実測値がある場合は、それらの値を平均した。図中には計算値=実測値の線(実線)と、参考のため計算値=実測値±1mの線(破線)を添えている。計算の再現性が高いほど図中の点は計算値=実測値の線に近づくことになる。図をみると、地点A及び地点K以外の点はほぼ計算値実測値=±1m内外の範囲に納まっていることがわかる。

計算値と実測値のずれを表す指標として次式で示す相田のK値とk値を算出した。

 

 

 

 

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