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第4章 ニュースポーツの身体負担度

はじめに

ニュースポーツは運動強度が弱く、身体への負担が軽いと言われている。確かにゲートボールなどのように高齢者向きのプレーを見ていると、あまり負担がないように思える。しかし、ニュースポーツといっても、激しい動きやかなりの身体的負担が予想される種目もある。ニュースポーツの安全対策を考えるには、まず、それぞれの種目の運動強度や運動量を知ることが必要であるが、これらに関する文献も少なくその実態が解明されるに至っていないのが現状であろう。
本調査では、被検者にホルター心電計を装着してゲーム中の心拍数と血圧を測定して、呼吸循環器系からみた身体負担度を調べた。また、同時に歩数計を装着して、ゲーム中の全歩行数、実動時間を記録し、運動量についても測定した。そして、身体負担度からみた安全対策を検討した。
ニュースポーツの身体負担度(7種目の平均値)

ニュースポーツ活動中の心拍数および血圧を指標にして各種目の身体負担度を測定し、その安全対策について検討した。測定対象種目は、?@ペタンク、?Aゲートボール、?Bグラウンドゴルフ、?Cディスクゴルフ、?Dインディアカ、?Eバウンドテニス、?Fチュックボールの7種目である。
[1]被検者および測定項目

被検者は各種目を定期的に実施している57名で、全員に歩数計を装着してゲーム中の歩行数と実動時間(歩数計で測定した移動時間)を測定した。さらに、その内の16名(図表1)について、ホルター心電計を装着してゲーム中の心拍数を測定し、併せて血圧を測定した。
1)測定項目
a.歩行数:被験者全員にベルトおよびウエアのベルト部に歩数計(山佐時計計器;ET−450)を装着しゲーム中の歩行数を測定した。
b.心拍数:16名について、ホルター心電計(90205ホルター心電計;Spacelabs製による2チャンネル誘導法)を装着して心電図を記録し、ゲーム中の心拍数を測定した。
c.血圧:ホルター心電計を装着した16名について、ゲーム前の安静時、ゲーム中およびゲーム直後に座位させて血圧(リバロッチ式水銀血圧計による触診法)を測定した。
d.その他:被検者の運動歴、生活状況、身長、体重、実施種目の経験年数、日頃の練習内容についても聞き取り調査した。
[2]ニュースポーツゲーム中の歩行数・実動時間

各種目のゲーム中の平均歩行数、平均実動時間、1分間あたりの平均歩行数およびゲーム中における実動時間の割合について、図表2、図表3、図表4、図表5、図表6に示した。ゲーム中の歩行数や実動時間から、それぞれの種目の運動量および運動強度の一端を把握することができた。

 

 

 

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