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ゲートボールでは「頭・首(26.3%)」、綱引きでは「体幹部(胸・腰・背中)・(46.3%)」の傷害が目立つ。綱引きについては後述する「ニュースポーツの効果」の項(p.26)でも、31名が腰痛を悪化させていることから、特に腰部の傷害予防に留意する必要があろう。
テニス型やゴルフ型の種目では、上肢(肩・腕・手)の傷害の割合が比較的高い傾向がみられる。
3)傷害の内容
傷害の内容とその発生件数(複数回答)について図表5に示した。また、傷害の発生率(発生件数/アンケート回答者総数)を図表6に示した。
傷害内容としてはねんざが最も多く、35.6%を占めている。次いで腰痛(10.7%)、肉離れ(8.9%)となっている。
種目別にみると、インディアカでは?@ねんざの発生件数が極めて多く129件にもなっている。また、関節傷害である?A靭帯損傷も30件みられ、?Bアキレス腱断裂、?C打撲、?D突き指など傷害の内容も多岐に渡っている。
ソフトバレーボールの傷害も多岐に渡っており、?@ねんざ、?A肉離れ、?A突き指が多くみられる。
綱引きでは特に?@腰痛が目立っており、腰痛の予防対策が急務であろう。次いで?Aねんざ、?B靭帯損傷、?C肉離れなど傷害内容も多岐にわたっている。
バウンドテニスでは?@ねんざ、?A肉離れ、?A肘痛、?C肩関節痛など、またグラウンドゴルフでは?@打撲、?Aねんざ、?B腰痛、ゲートボールでは?@ねんざ、?A腰痛、?B打撲など種目の特性による傷害がみられる。
ニュースポーツにおいて多くみられる関節の傷害である「ねんざ」「靭帯損傷」「突き指」は、不自然な関節のねじれや引き延ばしにより発生する。むりな動きをしない注意が必要である。また、日頃から関節の安定を高める筋力の強化を心がけたいものである。
4)傷害の発生状態
どのような状態で傷害が発生したのか、「転倒」「人との接触」「壁や用具への激突」「その他」にわけて図表7に示した。多くは「転倒」や「人との接触」でおきているが、バウンドテニス、ターゲットバードゴルフでは「その他」の割合が多い傾向にあり、種目の特性による発生状態が推測される。
5)傷害の発生原因
なぜ傷害が発生したのか、その原因について傷害したことのある本人からの回答を図表8に示した。全体でみると、「準備運動不足」「技術の未熟」「疲れていた」が原因であると考える人が多いが、「寒さ」を原因にあげている人もいるのが気になるところであろう。気象条件による配慮を考える必要があろう。

 

 

 

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