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へき地医療の体験に基づく学術論文1996年(No.5)審査結果

審査委員長 高久史麿 選評

本年は、応募総数23編で、昨年より7編増加している。今回は、北海道から沖縄まで全国の山のへき地で幅広く活躍されている医師の力作ばかりで、内容はへき地医療における画像ステムの利用、地域包括医療体制、離島の在宅死、救急ヘリ輸送、病診連携、総合診療と一医療との関係など幅広い様々な問題が取り上げられているのが特徴である。受賞者の中には既に前回までに受賞された方もおられた。受賞論文の質を上げるために2回までの受賞は良いのではないかという考えから、あえて再度の入選を認めることとした。
審査は、論文の内容のへき地性を重視し、更に内容の重要度、手法、ユニークさ、社会性を加味した評価を行った結果、下記のような審査結果となった。
全国の医療に恵まれない地域で献身的に活躍されている先生方の日頃のご努力に感謝すると共に今後のより一層のご活躍を祈念して選評の締めくくりとしたい。

最優秀賞 当院における画像電送システム運用の実際
北海道・旭川医科大学 大西浩平

優秀賞  過疎・高齢・少子化が進む千葉県安房地域に於ける地域包括医療
体制の実現を目指して
千葉県・鴨川市立国保病院 中村宏

優秀賞 地域在住高齢者の活動能力に関する検討-社会的生活機能の障害とその関連要因-
高知県・佐川町立高北国保病院 水関清

佳作 地域小規模病院における慢性閉塞性肺疾患患者に対する包括的呼吸 リハビリテーションの試み
北海道・大樹町立国保病院 満岡孝雄

佳作 紹介患者の状況からみた当診療所と地域住民及び連携病院との関係
岩手県・普代村国保診療所 遠野千尋

佳作 寺泊町における歯科訪問診療について
新潟県・寺泊町国保診療所 富井康年

佳作 一離島診における「在宅死」の現状と課題-症例を中心に-
長崎県・大瀬戸町国保松島診療所 湊健児

佳作 へき地医療と「総合診療」
佐賀県・佐賀医科大学 今中俊爾

佳作 「日本一長い村」の医療活動-現場医師の立場から-
鹿児島県・鹿児島赤十宇病院 後藤孝史

佳作 離島診療所における患者紹介の現状
沖縄県・県立那覇病院附属座間味診療所 糸数公



審査委員会 (50音順)

委員長 高久史麿 自治医科大学学長

委員 五十嵐正紘 自治医科大学地域医療学教授

委員 大家他喜雄 石川県・県立中央病院院長

委員 前沢政次 北海道大学医学部教授

委員 山口昇 広島県・御調町保健医療福祉管理者

委員 谷口孝 (社)全国自治体病院協議会事務局長

 

 

 

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