日本財団 図書館


 

010-1.gif

図7. 肺胞と毛細管におけるガス交換は拡散によっている。拡散障害はこの部分の障害で酸素化が障害される。炭酸ガスは拡散係数が高い(酸素の20倍)ので影響が少ない。

 

そのさい、HCO3が非常に高くなっています。そのためにPHが正常となり意識障害も出ていないということがわかります。このような低換気をきたす原因としては、呼吸筋の障害、神経筋疾患、胸部の外傷や手術、胸膜の高度の肥厚などによる呼吸面積の減少、すなわち換気量の減少による場合、また肺気腫などで肺胞の破壊や過度の膨大などがあるときです。

 

3)拡散の障害
次は拡散の障害です。これは図7のように肺胞と毛細管の間に障害があるものです。肺胞までは普通に空気が通うとしても、肺胞と毛細管の間に障害が起きてしまったために、酸素はそのまま動脈血のほうに移っていくことができない、二酸化炭素(CO2)のほうも排出しにくい、しかし、O2とCO2では拡散の係数が違う。すなわち、CO2というのは非常に拡散しやすいので、割合スムーズにCO2の高い静脈血から低い肺胞腔に拡散していく。ところがO2のほうはCO2の20分の1くらいしか拡散

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION