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(2)市町村の例(横浜市)
近年、経済をはじめとしてあらゆる分野において国際化の進展がみられ、世界の動きを感じながら日々の生活を送ると言うこともさほど大げさではないような状況にあり、税務行政においても国際化への対応は重要な課題になっている。
今回、機会を得て横浜市の国際化に対応した税務行政の取り組みを紹介することになったが、日本企業の海外進出や外国製品の流入などの国際化の進展のうち最近の社会現象の一つとなっている在住外国人の増加を取り上げ、住民税の窓口応対やPRなどの取り組みを紹介する。
本市におけるここ10年間の外国人登録者数の比較(表−1)をみてみると、総数で2倍になっているものの、従来から定住している韓国・朝鮮の伸び率は少なく、ブラジルやペルーなどの南米、フィリピンなどの東南アジアが高い伸び率を示している。これは、1990年の出入国管理及び難民認定法(入管法)の改正によって、在留活動に制限がなく、就業できる在留資格「定住者」の新設が大きな要因であると思われ、これは本市に限らず全国的な傾向であると思われる。

表−1 外人登録者数の比較

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以上のように在住外国人数の状況をみてきたが、個々に国籍、来日目的、在留資格、期間が異なり、一括りに「外国人」ととらえることは困難であり、税務行政の取り組みについてもそれぞれの市町村の状況によって自ずとその方法は異なるものと思われる。では、ここで神奈川県のニューカマーを対象とした在住外国人の生活実態調査の結果を紹介したい。
これは、神奈川県社会福祉協議会が在住外国人の生活支援の推進のため、1994年1月に県内に在住、在勤、在学の20歳以上のニューカマーを対象として在留資格別にサンプリングを行い、500ケースのアンケート、28ケースのヒアリングにより調査したものである。
まず、滞在予定であるが、すぐに帰国をしたい」又は「6ヶ月程度」としている者が17%(50人)いるものの「1年以上」から「永住希望」までの者がほぼ半数(156人)を占めており、さらに「未定」の者が33%(99人)いることを考えると住民税の課税要件を充足する者は相当数いることが見込まれる。

図−1 滞在予定(305人)

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