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ウ 個人事業税
個人事業税については、課税所得は所得税の例によることとされ(地方税法第72条の17)、基本的には住民税と同様であるが、海外に恒久的施設を有する個人についてはその恒久的施設に帰層する所得は課税所得から除かれることとされているが(地方税法第72条の15)、それについては後述する法人事業税の取扱いと同様である。
また、個人事業税の外国法人に相当する我が国に主たる事務所もしくは事業所を有しない個人の事業が行われる場所とは、政令(地方税法施行令第10条の2)で定めることとされているが(地方税法第72条第3項)、これについても法人事業税の取扱いと同様である。
(2)法人所得課税
ア 外国法人の定義及び課税所得
法人所得課税については税法上、内国法人と外国法人を区別し、法人税法では「国内に本店又は主たる事務所を有する法人」を内国法人とし、その他の法人を外国法人としており(本店所在地主義)、内国法人に対しては全世界所得を外国法人に対しては国内源泉所得のみを課税する(法人税法第2条3号、4号、同法第5条、同法第9条)。
地方税法においても第24条第3項で、外国法人とは「この法律の施行地に本店又は主たる事務所若しくは事業所を有しない法人」とし、課税標準を法人税額とする法人住民税及び課税標準を法人税の所得の計算の例によって算定する法人事業税についても外国法人の課税所得は法人税と同様、国内源泉所得に限られる。
すなわち、外国法人は、国内源泉所得についてのみ我が国で納税義務を負うものであり、国内に支店等の事業拠点を有する場合には、すべての国内源泉所得が法人税の課税所得となるなど、事業活動あるいは取引の行われる場所、資産の所在地等に着目し、所得の態様に応じて、国内源泉所得の範囲を定めている(法人税法第141条)。
イ 恒久的施設
法人の課税にあたっては各地方団体は区域内に事務所又は事業所を有する法人に課税することとされているが、外国法人についてはその事業が行われる場所で政令で定めるもの(恒久的施設)を事務所又は事業所とするとしている。
そこで、地方税法施行令第7条の3の4ではその恒久的施設を定めている。この規定は道府県民税に関する地方税法第24条第3項の規定の委任を受けて定められたものであるが、市町村民税及び事業税もこの規定を引用しており、結局この規定が地方税全般を通じた国際関係における事務所、事業所の定義となっている。
政令では以下に掲げる恒久的施設をもって外国法人の事業が行われる場所としている。
? 支店、出張所、営業所、事務所、事業所、工場又は倉庫(倉庫業者が自己の

 

 

 

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