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福岡市における「高齢者にやさしいまちづくり」施策について
 
福岡市総務局企画調整部企画課長 宍戸邦久
 
1 はじめに
福岡市の人口の年齢構成をみてみると、平成7年国勢調査ぺースで14歳以下の年少人口比率が16.0%(全国16.0%)、15歳から64歳までの生産年齢人口比率が72.6%(全国69.5%)、65歳以上の老年人口比率が11.0%(全国14.6%)となっており、全国的にみて比較的若い、生産年齢層の多い年齢構成をなしている。これは、本市が九州の中枢都市として行政機関、大企業の支社・支店、金融、保険等のサービス業などが集積していることや、人口千人当たりの学生数が13大都市中第2位であるなど大学等が集積していることなどによるものと考えられる。
このように比較的若い都市ではあるものの、我が国全体の急速な少子・高齢化が進行していく中で、本市も今後は高齢者人口が確実に増加していくものと予測されている(図1・図2)。
平成8年8月に策定された第7次福岡市基本計画では、平成22年(2010年)に本市の人口は今より18万人ほど増加して146万7千人になるものと見込まれ、全人口に占める65歳以上の高齢者人口比率は、平均寿命の伸びなどにより16.6%となり、全国に10年程度遅れているものの高齢化が一段と進行するものと予測されている(図3)。
本市は、このような高齢化の進展など福祉を取り巻く環境が一段と変化する中で、さらに質の高い福祉社会を実現するため、平成5年3月1に「福岡布福祉総合計画」、平成6年2月に「福岡市高齢者保健福祉計画」、さらに昨年は先述の「第7次福岡市基本計画」を策定し、「福岡型健康・福祉のまちづくり」を目指している。
本稿では、この「福岡型健康・福祉のまちづくり」及びその高齢者施策での特徴的な取リ組みについてご紹介することとしたい。
 
2 「福岡型健康・福祉のまちづくり」について(図4)
(1)基本的な方針
第7次福岡市基本計画では、本市はノーマライゼーションの理念を基本とし、生涯にわたる市民の自主的な健康づくりの推進と高齢者や障害者を含め全ての

 

 

 

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